【準決勝】 創成館 ハイレベルな走攻守

 先発全員安打の切れ目のない打線、隙を突いた走塁、鉄壁の守り-。創成館が走攻守すべてで高いレベルを示して3年ぶりの決勝に駒を進めた。稙田監督は「俺が俺がというのも大事だが、チーム内にいい意味で、誰かが何とかしてくれるという空気がある」と満足げに振り返った。

 好投手を相手に苦戦を強いられてきた打線が、この日は同点に追いついた四回以降に2桁安打を記録。佐世保工のエース野元の力強い高めの直球を捨てて「ゾーンを下げる」という約束事を徹底した。7得点中6点は2死から生まれる勝負強さも披露。主将の峯は「今まではピッチャーに助けられてきたから」とホッとした表情を浮かべた。
 その攻撃に厚みをもたらすのが走塁。三塁コーチャーの水野が「相手が嫌がる走塁は大きな1点につながる」と胸を張るように、安打や内野ゴロで野手が他の塁に送球する間に次々と先の塁を陥れた。チームが「当たり前」としている足を使った重圧が大きかった。
 走塁同様、選手たちが「最低限」と位置づけている守備も4試合で1失策。難しい球際も無難にさばく安心感が、チーム最大の武器である投手陣の躍動を支えている。
 攻守両面で崩れることなく、3年ぶりの夢舞台まであと1勝に迫った。最後の相手はNHK杯で敗れ、夏も2014、15年の決勝で勝敗を分け合っている海星。主将の峯は「因縁のライバルという印象で、負けられない。自分たちのペースで試合を進めて絶対に勝つ」と力強く宣言した。

【準決勝、創成館―佐世保工】6回表創成館2死一、二塁、鳥飼の左前打で二走戸田が生還、5点目=県営ビッグNスタジアム

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