横須賀からのアクセス向上へ 国道357号八景島-夏島町間が着工

 国土交通省は22日、国道357号の横浜市・八景島-横須賀市夏島町間(約2・3キロ)の工事に着手した。1988年6月の都市計画決定から30年。着工式では三浦半島への延伸のスタートが切られた喜びと、早期の全面完成への期待が語られた。

 国道357号は千葉市から横須賀市をつなぐ延長約80キロ。「湾岸道路」の愛称でも親しまれている。

 現在、三浦半島東側を南北に結ぶ幹線道路は国道16号のみで渋滞が慢性化している。八景島-夏島町間が整備されれば渋滞解消につながるだけでなく、追浜地区をはじめとした横須賀市の工業生産拠点から、首都圏各地へのアクセスが向上する。災害など緊急時の新たな輸送路ともなる。

 上地克明横須賀市長、小泉進次郎(11区)・古屋範子(比例南関東)両衆院議員が昨年9月、秋元司国交副大臣に早期着工を要望。同省は2017年度補正予算に工事費などを計上した。夏島交差点付近の改良工事から着手する。海上部分など主要区間の事業化が今後の焦点となる。

 横須賀市リサイクルプラザ(同市浦郷町)で行われた着工式で泊(とまり)宏国交省関東地方整備局長は「日本にとって国際戦略上も重要な道路。早期開通を目指す」、上地市長は「地域活性化に直結する道路であり着工は本当にうれしい。悲願の全面開通に向け引き続き努力していく」などとあいさつした。

 事業者と来賓による「くわ入れ式」には地元サッカークラブ「FC夏島」の小学生4人も参加。あいさつで「首長、議員、官僚、市民が一丸になれば、こんな良い仕事が始められる」と述べた小泉氏から「新しい歴史を刻もう。くわは遠慮なく振り下ろせ」との助言を受け、力いっぱいのくわ入れをした。

国道357号の八景島-夏島町間の着工を記念して上地市長(左)らが出席して行われたくわ入れ式=横須賀市リサイクルプラザ

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