【高校野球北神奈川】初8強の白山、一塁手が勝利呼ぶ好プレー

 第100回全国高校野球選手権神奈川大会第11日は22日、サーティーフォー保土ケ谷球場など4会場で北神奈川の4回戦8試合を行い、東海大相模など第1シード4校が順当に勝ち上がり、8強が出そろった。

 東海大相模は主将小松勇輝、主砲森下翔太(ともに3年)の本塁打などで神奈川工を五回コールドで退けた。同じく第1シードの桐光学園、慶応、横浜商大もコールド勝ちした。公立同士の対戦では第2シードの白山が厚木北に快勝、同シードの橘は弥栄に敗れた。県相模原は第2シードの向上に競り勝った。桐蔭学園は市ケ尾に大勝した。

 第12日は同球場と横浜スタジアムで、南神奈川の準々決勝4試合を行う。

▽4回戦(サーティーフォー相模原)

白山

300 101 000|5

000 000 200|2

厚木北

【評】白山が攻守に勝負強さを発揮。初回、立ち上がりが不安定な相手に5安打を浴びせ3点を先行。エース小浦は再三の窮地をしのぎ、七回は一塁横山の美技で反撃を断ち切った。厚木北の右腕菅野隼は二回以降立ち直っただけに、初回がもったいなかった。

 白山に創部初の8強入りをもたらしたのは、七回のビッグプレーだった。

 連打で2点を返され、3点差に迫られた1死三塁。鋭いゴロの打球が一、二塁間を襲う。誰もが失点を覚悟した瞬間、一塁横山が「体で球に食らい付こうとした」と横っ飛びで捕球。視線を三塁に送ってけん制し、走者は生還できず。横山はすかさず一塁を踏んだ。

 終盤の反撃を断った美技に、村田浩明監督(32)は「抜ければ相手に流れがいっていた。きょう一番のプレー」と勝因に挙げた。

 これを必然にするためにやってきた。横浜の捕手として2003年のセンバツ準優勝を経験した指揮官は、小倉清一郎部長に何度も言われた。「夏の大一番は100回に1回のプレーが試合を決める」。白山ナインは日々、厳しい打球に体全体で向かっていく練習を繰り返してきた。

 13年秋の就任当時、部員は4人だけだった。雑草だらけの校庭で、髪を染めた選手が白球を追い掛けていた。苦節5年。今では「本気で甲子園を目指す公立校」となった。部員60人全員で、第1シード横浜商大を倒しにいく。

ベンチ前で選手に指示を出す白山の村田監督=サーティーフォー相模原球場

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