名南金属、本社工場に新オートシャー導入 超ハイテンを大ロット・高精度加工

 中部地区鋼板シャー大手の名南金属(本社・愛知県豊田市、社長・山田康二氏)は、本社工場に最新型のセミオートシャー1基を導入、先週から本稼働した。最大6ミリ厚の鋼板を切断する能力を持つが、仕様は最大3・2ミリ厚までとし、超ハイテン鋼板のシャーリング加工を大ロット・高精度でこなせる体制にした。全社での生産性向上にもつなげる。

 同社は、自動車関連を主体に薄板加工および鉄スクラップ業を営む。薄板加工ではシャーリングマシン11基、ミニレベラー3基体制で、月間加工量は2500トン(加工枚数にして約200万枚)。

 シャー加工の品質要求の高度化や加工ニーズの多様化に対応し、随所にアイデアを盛り込んだ最新設備の導入を順次行っている。

 今回導入したのは、相澤鉄工所製のセミオートシャー「SAR―620」。加工母材を切断部までロボットが自動搬送(搬送装置はファナック製)し、切断加工後、製品を自動で集積する。投資金額は約7千万円。

 加工板厚は0・4~3・2ミリで、板幅は最大2050ミリ(6尺)。切断長は50~1250ミリ。能力としては板厚最大6ミリまでの加工が可能だが、120キロ鋼など超ハイテン鋼板の加工ニーズに対応するため、仕様を3・2ミリ厚までに絞り込んでいるのが特徴。同機だけで月間200~300トンの加工を見込む。

 自動車の軽量化で、同社でも超ハイテン鋼板の加工比率は上昇しており「120キロ以上の超ハイテンが号口化するケースが増えてきた」(山田社長)という。このため「硬い鋼板をいかに効率的に加工し、全社の生産性向上につなげるかが納期対応などの面でも重要。今後も多様化するニーズに対応していきたい」(同)と話している。

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