核廃絶「思い強まった」7割 被爆講話聞き県内留学生 本紙「原爆・平和」初の一斉アンケート

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 県内各大学に本年度から留学している外国人らの72・5%が被爆者の体験講話を聞いた後、核兵器を廃絶すべきという思いが強まったことが長崎新聞社による「原爆・平和」に関する初の留学生向け一斉アンケートで分かった。一方、世界で核軍縮が進むと思う人は53・3%と相対的に低かった。
 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA(レクナ))の鈴木達治郎センター長は「核廃絶への思いはあっても現実には難しいと考える人が多いことの表れだ」と分析、核抑止に頼らない安全保障の模索が鍵と指摘した。
 アンケートは、昨年の核兵器禁止条約の国連採択など世界情勢の変化を受け、外国の若者の意識を探ろうと実施した。6月2日、長崎市であった長崎原爆に関する新規留学生向け講習会「長崎平和大学」(県など主催)の会場で、アジアや米欧、アフリカなど23カ国・地域の239人に調査票(選択式と記述式)を配布、214人が回答した。女性の割合が高めで20代前半が中心。中国、韓国出身者が全体の約半数を占めた。
 講習会では長崎市の被爆者、深堀讓治さん(87)が原爆で肉親4人を失ったことや町の被害を写真も交えて語った。その後、核廃絶への思いが強くなったか尋ねると「なった」は72・5%に上り、「軍人だけではなく民間人も被害を受けるから」(韓国の21歳女性・長崎大)といったコメントが寄せられた。
 日本に特別な関心を持つ前から広島も長崎も被爆地と知っていた人は84・4%。ただ原爆が投下された1945年中に広島で14万人、長崎で7万人超が死亡、放射線の影響に苦しむ人も多数出た被害には58%が「思っていたよりひどい」と回答、「思ったよりひどくない」の7・1%を大きく上回った。原爆被害について母国にいたころの認識の低さをうかがわせる。被害の実相は世界に十分伝わっていないとみられる。
 朝鮮半島非核化の目標が4月の南北首脳会談で掲げられたことなどを踏まえ、今後、世界で核軍縮が進むか聞くと「思う」は53・3%。半面「どちらともいえない」「思わない」も計40・1%あり、「世界は絶対に平和とはいえない。自国を守る手段を持つのは悪いことではない」(中国の26歳女性)として核抑止は必要とする意見が一定あった。
 昨年の核兵器禁止条約の採択と、採択に貢献した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞をともに知っていた人は19・5%にとどまった。

「長崎平和大学」で被爆体験講話を聞く留学生ら=6月2日、長崎市文教町の長崎大中部講堂
県内留学生アンケートの主な結果

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