「混乗便」国内で初就航 比田勝-博多間 高速船

 国際線の旅客船に国内線の客も相乗りする「混乗」が、対馬市北部の比田勝港(同市上対馬町)と博多港(福岡市博多区)間で23日、国内で初めて始まった。
 混乗便となるのは、博多-韓国・釜山間を運航しているJR九州高速船のジェットフォイル「ビートル」の一部便で、混乗時は全191席のうち26席を国内線用に間仕切りする。
 混乗区間の比田勝-博多は、同じ区間をフェリーで結んでいる九州郵船が「用船契約」を結び、同社名義で運航することを条件に国が認可。フェリーで約6時間の同区間は、ジェットフォイルで約2時間に短縮される。ダイヤが公表されている10月10日までは週に1~3往復する。
 両港で記念セレモニーがあり、比田勝港で対馬市の比田勝尚喜市長は「海の高速道路が完成したようなもので、計り知れない効果が生まれることを期待している」とあいさつした。博多港ではJR九州高速船の水野正幸社長が「この航路を育て、対馬の利便性向上、交流活性化、ひいては日韓交流の拡大につなげたい」、九州郵船の竹永健二郎社長が「わが社の航路と相乗効果を図り、対馬振興に協力したい」と述べた。
 福岡の病院に通院するため乗船した上対馬町の民宿経営、西庄靖彦さん(75)は「通院時間が大幅に減るので助かる。乗り心地も快適」と話した。

博多港に向け初めて運航するビートル「混乗便」に乗り込む島民ら=対馬市上対馬町、比田勝港

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