◎第4回 南部ゆるゆるコラム 養殖もイケる!見て食べて楽しいグルメ情報 ~続・漁業の町ベイのシーフード自慢~

◎第4回 南部ゆるゆるコラム

さて、先月号のコラムでは南部の町ベイでモリモリ食べられる魚介類として海老、イカ、牡蠣やロブスターの話を書きましたが、今回のテーマはずばりソフトシェルクラブ!身をほじらずに殻ごと全部食べられる軟殻蟹のことで、ミャンマー語では「ဂ ဏန္းေပ်ာ့/ガナン ピョォ」と呼びます。
意外と知らない人がいるので一応書いておくと、あれは元から殻の柔らかい種類のカニだというワケではなく、普通に放っておいたら硬い殻になるカニを脱皮したタイミングで絞めて冷凍加工するから、殻が柔らかいままで食べられるというシロモノなんです。養殖場に膨大な量のカゴを並べて中に1匹ずつカニを入れて飼い、スタッフが一定時間ごとに丁寧に中身を確認して脱皮したカニを見つけたら回収する、という手間ひまと完全なる人海戦術を使って生産されています。1匹のソフトシェルクラブが頃合いの大きさに育つまで、だいたい40日~45日くらいかかるそう。そういえば養殖場の人に聞いたんですが、カニには雄と雌だけじゃなくてミャンマー語で「オカマ蟹」と呼ばれている中性の状態のカニがいるんですって。3つの性別のカニを食べ比べると、この「オカマ蟹」が一番美味だと言っていましたが、真相はナゾです…。
そんなソフトシェルクラブの養殖場、ベイにはなんと3ヶ所もあるんです!冷凍品をタイや中国など近隣諸国に輸出しているのですが、ベイのレストランでも食べることができます。もちろん輸送費のかかっていない現地価格なので、どこで食べるよりも安い!ベイではほとんどの海鮮系レストランでソフトシェルクラブを取り扱っているので、好きな調理法を指定して注文することができますよ。オススメは唐揚げや揚げびたし、カニと卵のマサラカレー(タイ料理で言うところのプーパッポンカリー)などなど。殻を剝く手間もないし、プツンと噛み切れる柔らかい皮とジューシーで旨味の詰まった身がたまりません♡
ちなみに、ベイには前回書いたロブスターやシャコの生け簀施設も何ヶ所かあります。どの養殖場も町巡りツアーで廻れる場所にあるので、興味があれば見学や冷凍品の購入も可能ですよ!たくさんの巨大なロブスター達が動き回っている光景を目の前で見るのはなかなか壮観です。
普段から見慣れている食材でも、その出自やご生前の姿を知ってからレストランで食べると、命をいただく「ありがたさ」というスパイスのおかげで、いつもよりお料理が美味しく感じられるかもしれませんね♡

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