◎発見│ミャンマーの観光スポット ミャンマーの「ど真ん中」へ 冒険と歴史ミステリーを体験できる 「Pyat Kha Ywae Swal Taw Shin パゴダ」への旅

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この記事を書き始めたときにまず思い出したのは、幼いごろに観た、「Centre Of The Earth」というハリウッド映画だ。地球のど真ん中には現代ではもう絶滅した恐竜や翼竜などが生きているというSF 映画で、初めて見たときはかなり衝撃を受けた。無重力、肉食林、磁場など映画とはいえ目が釘付けになった。そして幼心にも世界の中心を見てみたいという夢が広がった。
今回はそのど真ん中というテーマで、ミャンマーの中心地へ旅してみた。場所はマンダレーエリアのMyit Thar地区。そのなかでMya Thu Kha村周辺のPyat Kha Ywae 山が目的の場所だった。

[いざ「Pyat Kha Ywae 山」へ](

まず「Pyat Kha Ywae 山」への行き方だが、ヤンゴンからだとチャウセ町(Kyauk Se)~クメ(Ku Me)区というルートになる。
宿泊先のマンダレーの「Nature Hotel」を朝7時に出発した。まずクメ地区に向かった。道中、目的地まで渋滞もなく、車がすいていることに驚いた。一時間程でクメへ着く。少し進むと交差点があり、左にはキンターKin Tar ダムの看板表示。ダムの方へ入り、めざす仏舎利「Pyat Kha Ywae 山」へという道案内ボードが見える。マンダレーからだと約2時間程度で目的に行ける。「Pyat Kha Ywae 山」は、東ピャッカユェと西ピャッカユェとして分類され、2つの登頂ルートがある。東側からは11の峠を越え、西側からは9の峠越えを余儀なくされる。
しかし初心者が選ぶなら東側が道もよく、キンターダムの美しさも望める。西側は峠超えは9つだが、道路は厳しく、険しく、アドベンチャーを楽しみたい方にお勧め。だが、なぜかこの山を訪れる観光客は西側を選択する人が多いという。
理由は、アノーヤター王の功徳をもたらすという仏舎利パゴダがあり、ミャンマーのど真ん中という点を示す碑文があるからだそうだ。
この山の頂上には、釈迦の聖歯が安置されている「Pyat Kha YwaeTaung Swal Taw Shin」(ピャッカユェ山仏舎利パゴダ)という仏塔が建立されている。11世紀(ミャンマー歴419年)にアノーヤター王が建立したパゴダとしても知られている。
ピャッカユェ山に向かうと、まずモーナー山に着く。東西のルートでも、このモーナー山から道が枝分かれする。そこでモーナー山へ行くことにした。トレッキングもでき、車でも行ける。麓から山頂まではトレッキングなら一時間、車なら25分くらいだ。車の方がお勧め。一人500Ksのフェリートラックも走ってる。

[ピャッカユェ山へ ](

「ピャッカユェ山」の日帰りのトレッキングは厳しい旅行といっていい。だから山に登るなら、麓からいくつか準備するものがある。おやつ、水、パン、シューズ類などの食料だ。そして軽い服装がお勧め。2時間程度かかるが、途中で引き返すのはやめたい。頂上に到着すれば、ミャンマーのど真ん中へ行ったということが、後で必ず自慢話になるはずだ。
「ピャッカユェ山」への登山ルートを、2つのパートに分ける人もいる。初めは小さな商店まで行き、休憩する人が多い。ここまで半分の距離だ。その後、竹藪の道に入り、頂上を目指す。お経や僧侶の声が耳に響き始める。竹藪の道はずっと坂道だが、気候は涼しく、木陰は特に心地よい。 竹藪の道から25分程度歩くと5代目の仏舎利塔を安置しているミャンマーの中央地点に辿り着いた。昼間なのに霞がかかり、麓ははっきり見えない状態だった。まるで雲の中で息を吸っているようだった。
不思議なのは、山頂のパゴダ内は狭そうに見えるが、おおぜいの観光客がゆったりと寛いでいることだった。

[「ピャッカユェ山」パゴダの由来](

この山に登るまではバガン王朝の王様たちが建立した仏舎利塔のパゴダが4塔だけあると聞いていた。バガンの「Shwe Si Goneパゴダ」 ,「 Tan Kyi Taungパゴダ」, 「Law Ka Nandaパゴダ」 , 「Tu Yin Taungパゴダ」などだ。
ミャンマー人にはこの4塔を午前中にすべて参拝できれば幸せになると信じられているため、頑張って回った。しかし「ピャッカユェ山」に着いてから、5塔目の仏舎利塔がここに安置されているのがわかったのだ。
5塔目の仏舎利塔に関しては、アノーヤター王がスリランカから持ってきた仏舎利を4つに分け、バガンの4つのパゴダに安置した。そのあとで釈迦に誓い、5塔目の聖歯を分歯。その聖歯を白象の背中に乗せ、白象を自由に歩かせた。白象は東側に向かいPyat 山に潜るような姿勢をしたが、最後は西の方に向かいKha Ywae 山で止まった。するとアノーヤター王はその場で迷わずパゴダを作ったという。それが5塔目の仏舎利塔の建立伝説の由来になった。

[ピャッカユェ山の祭り](

アノーヤター王の碑文では、「自分が功徳を施した仏塔などにお供えなどの努力する国民は、米、水、水田などご利益のある幸福な人生を持つように。また反対にその功徳を忘れかけている人には、その難しさを感じるようにとの、碑文を残した。
このため「ピャッカユェ山」のパゴダ祭りには、麓周辺の大半の住民は山に登って、できる限りの功徳を積むと、地元の方が語った。王様の誓いで、パゴダ祭りの時期になると老若男女を問わず、住民は掃除を始め、功徳を積む行動になるという。
また、王様は「功徳をしたら、自分にその功徳を知らせ、釈迦の歯を載せてくれた白象にもその善意を気配るように」と、書いている。ピャッカユェ山の祭りとパゴダのお供えイベントはタディンギュッ(10月11日から15日の満月の日)までだ。

[ミャンマーのど真ん中、中央地点とは](

地形学的には ミャンマーの中央地点は、ミャンマー地形計算検査組織のGPS計算によると、北緯21°12.695分、東経36度14.759分に位置し、標高3443 Ftの高さの地点を指す。
バガン時代が栄えたあたりから、この山はミャンマーの中心ということが認定されている記録があると、パゴダ事務担当の女性がいう。不思議なのは、バガン時代の計算単位と現代の計算方法が、そんな違わないことだ。バガン時代の知識が高いこと、計算単位がきちんとしているのも驚きだろう。
読者の方々も、この旅行シーズンにどこへ行こうかと考えているならば。この「ミャンマーど真ん中」旅行はお勧めの旅のひとつだ。アドベンチャー気分に浸りながら、アノーヤター王が功徳した仏舎利塔で祈る。このピャッカユェ山の旅は、ミャンマー人の間では、フェースブックなどでも広がっており、ツアー会社も注目するようになった。しかしまだ観光客で賑わってはいないので、弊紙の発見コーナーで、紹介させていただいた。

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