ボルボ XC60 D4で1500キロ走破|北海道・東北 ぶらり寄り道 大回りの旅[前編]

北海道からフェリーで東北に渡り、さらに東京までロングドライブを決行

北陸・金沢から500キロ、ボルボ XC60 D4で一路東京を目指すロングドライブについて書かれた飯田裕子さんのレポート、皆さんはもうご覧になっていただけましたか?

<まだの方はこちらから!>

2017年秋にデビューするや、瞬く間にモテモテの人気モデルとなった2代目XC60。裕子さんがドライブしたのは、遅れて2018年春に導入を開始した「D4」ディーゼルモデルでした。北欧らしい居心地の良い内装、洗練されたエクステリア、そしてトルクたっぷりなディーゼルエンジン・・・夢のような組み合わせでロングドライブができるなんて、そんなお仕事羨まし過ぎます!

編集部でひとり唇を噛みしめていたところ、ボルボ・カー・ジャパンから1本の電話。

「今度はボルボ XC60で、北海道から東京まで試乗してみませんか!?」

ええっ、僕でいいの!? 喜び勇んで、羽田から一路北海道へと渡ったのでした。

鉄ヲタおじさんたちが素直に真っすぐルートを辿るはずがない!?

初夏の新千歳空港で渡されたのは、美しいレザーに覆われたお洒落なXC60のリモコンキーと、苫小牧西港を深夜に出て翌朝青森・八戸港に着く夜行フェリーの予約チケット。

「明日中に東京まで戻って頂ければ!」

笑顔で送り出されたワタクシ編集部TとKカメラマン。苫小牧~八戸のフェリー以外特に予定は定められておらず、コースは自由。共に鉄道ヲタクのオジサンコンビ、行き当たりばったりで乗り切ります。

旅の相棒はボルボ XC60 D4 AWD Inscription(インスクリプション)[4WD]。XC60の上級グレードで、裕子さんたちがドライブしたのとも同じ。試乗車はエアサス仕様でした。

新型XC60に代表される新世代ボルボは、例えばショールームで見かけた瞬間に「カッコいい」「ステキ!」と一目惚れさせるほど、内外装デザインの面でも商品力をグッと高め、評判を呼んでいます。モテモテです。

しかしボルボ・カー・ジャパンの広報担当がロングラン試乗に際しいつも繰り返しおっしゃるのは「より長く乗ることで、もっと深くボルボ車の魅力を知ってもらうことが出来るはずです」。走り込むことでXC60の本質をじっくり見極めて欲しい。そういうメッセージと受け止めました。

ちなみに新千歳空港から苫小牧フェリーターミナルまではおよそ20キロ、せいぜい30分そこそこの道のり。時刻はまだ朝だから、出航まで丸々半日以上ある! ならば僕らも、ひたすら走って走って走るしかない!!

さあて、どこへ「寄り道」しましょうか。

貴重な体験のためだけに千歳からオホーツク管内まで軽くひとっ走り

え、初夏の北海道といえば、富良野とか美瑛に行くもんじゃないの!?

日本にやってくるミッドサイズの欧州SUVは、多くのメーカーがディーゼルモデルをラインナップしています。ボルボも先代XC60の時代からD4モデルを用意しており人気の中心でした。そして2代目となったXC60のディーゼル。運転席にいる限りもはやあのガラガラ音はほとんど気にならず。しかも、出足から重さを感じさせないパワフルさに最初から圧倒されっぱなしです。2リッターターボディーゼル「DRIVE-E」エンジンは最高出力190ps(140kW)/4250rpm、最大トルク400Nm/1750~2500rpm。日本の高速道路の速度域なんて、もう余裕そのものでした。

まず最初の経由地に選んだのは、広大な北海道でも北東部に位置するオホーツク管内の遠軽町(えんがるちょう)、丸瀬布森林公園いこいの森。丸瀬布と書いて「まるせっぷ」と読みます。遠軽町と町村合併する前は丸瀬布町として独立していました。オホーツクといっても丸瀬布は山深く、四方を森林に囲まれたエリアです。

・・・え、初夏の北海道といえば、ラベンダーが咲き誇る富良野とか、美しい丘陵地帯が広がる美瑛(びえい)辺りを巡るんじゃないの!?

いえいえ、せっかく北海道へ来たのですから、もっと違うところも行きましょうよ。その理由、ちょっとばかり長文ですが少しお付き合いください。

丸瀬布森林公園いこいの森で戦前製の貴重な蒸気機関車に出会う

旧・丸瀬布町の産業といえば林業。戦前・戦後と国内の旺盛な木材需要に応えるべく、武利森林鉄道(むりしんりんてつどう)も敷設され、山から木材を当時の国鉄駅まで運びました。最盛期は路線の総延長は80キロにも及んだそうです。

そう、なんとその当時の蒸気機関車「雨宮21号」、東京深川・雨宮製作所で昭和3年製造され、歴史的価値も高く産業遺産としても認められた昭和初期のSLが動態保存され、2018年の今も、春から秋にかけての土・日・祝日を中心にこの丸瀬布森林公園いこいの森で走っているんです。そんな列車に、1周2キロの路線で実際に乗ることが出来る(乗車料金500円)なんて、極めて凄いことですよ!

・・・ん、ご興味ない!?

写真をご覧ください。通常よりもかなり小さいサイズの軽便鉄道で、これが実にかわいらしいじゃないですか。昭和30年代くらいまでは道内のあちこちでこのような小さな小さな鉄道路線が点在してたようです。

雨宮21号機関車は煙をもくもく吐きながら健気に、しかし力強く走ります。大量の木材を積載した貨物列車をゆっくりと一生懸命に牽いていた頃のことを想像してみると、また感慨もひとしおですね。

軌道の周りには、丸瀬布森林公園いこいの森オートキャンプ場も併設されています。歴史的価値のあるSLを見ながらのバーベキューなんて、実に贅沢な時間の過ごし方だと思いませんか。

<丸瀬布森林公園いこいの森>

■住所:北海道紋別郡遠軽町丸瀬布上武利80/開園期間:4月下旬~10月第3週日曜日(土・日・祝及びGW・夏休み期間中のみ開園)/問い合わせ先:遠軽町丸瀬布総合支所 産業課[電話:0158-47-2213]

※一部施設は2016年の大雨被害による災害に見舞われたが2018年7月21日に再開

遠軽町観光協会Webサイト

北海道といえば、ローカルコンビニチェーンへの立ち寄りもお楽しみのひとつ

残念ながら地元のグルメを探索する時間はなかったので、お昼ご飯はあらかじめコンビニで確保。とはいえ北海道ローカルのコンビニチェーン、セコマこと「セイコーマート」に寄ったのは言うまでもありません(店内調理のHOT CHEF、大きな手作りおにぎりサイコー!)。

移動の途中に小休止しながら車内でもぐもぐしつつ、新千歳からの移動距離はおよそ290キロ。4時間弱の旅でしたが、パワフルなXC60 D4ならアサメシ前でした(ヒルメシ後ですが)。

オホーツク管内から十勝地方へ・・・XC60 D4でイッキに移動

続いて向かったのは、北海道東部の十勝・帯広! 丸瀬布からはおよそ200kmの距離です。なーんだ200kmくらいか。早くも感覚がマヒしてきました(笑)。さらにぐんぐんいきましょう。

途中、歌手の松山千春さんや政治家の鈴木宗男さんらの出身地で知られる足寄町(あしょろちょう)までは高速道路区間もないので、一般道を中心に4時間近くをかけて移動します。とはいえ途中の信号も少なく、走りやすい道でした。ディーゼルの豊かなトルクのおかげで、丘陵地帯のアップダウンも楽勝です。

メインコースの陸別国道(R242)は、北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線(旧・国鉄池北線)の廃線跡と並走します。本当は時間があれば、その廃線を利用した保存鉄道、ふるさと銀河線りくべつ鉄道にも立ち寄りたかったのですが、泣く泣く今回は通過。チラッとCR70型気動車の姿を見ることが出来ただけで良しとしましょうか。次回はぜひ!

さて、まず最初に訪れたのは音更町(おとふけちょう)の家畜改良センター十勝牧場。

1キロ以上続く真っすぐな美しい白樺並木を観ることが出来ます。これぞ十勝。これぞ北海道という眺めです(1ページ目TOPの画像をご覧あれ!)。

NHKの朝ドラ(連続テレビ小説)「マッサン」序盤でスコットランド(!)のシーンにも使われ有名になり、定番の観光名所となっています。余談ですが、マッサンのテーマ曲を歌った中島みゆきさんも十勝地方のご出身ですね。

<独立行政法人 家畜改良センター十勝牧場 白樺並木>

■住所:北海道河東郡音更町駒場並木8-1

続いて帯広市に残る旧・国鉄広尾線の駅跡へ。1987(昭和62)年の廃線後も駅舎やプラットホーム、そして国鉄のディーゼルカー「キハ22形」までが姿を残しています。駅の名は「幸福」。ずいぶんと幸せそうな駅名です。

当時、幸福駅の2つ隣が「愛国駅」でした。昭和40年代後半、両駅を結ぶ硬券切符を「愛の国から幸福へ」という縁起の良いアイテムであると仕掛けたところ、大ブームを巻き起こしたのです。路線が廃止された後も鉄道公園として整備された旧・幸福駅。とかち帯広空港から近いこともあって、今も絶えず観光客が立ち寄るスポットです。

<旧・国鉄広尾線 幸福駅>

■住所:北海道帯広市幸福町東1線

朝から晩まで660キロ走破! しかし疲労度は最小限だった理由とは

朝から駆け足で巡った北海道大周りの旅もラスト。帯広から苫小牧までおよそ170キロ、道東道などを経由し3時間弱のドライブです。カーナビの到着予想時刻を見る限り、どこかで晩御飯に立ち寄ってもどうにか23時59分発の八戸行きカーフェリーにも間に合いそう。けっきょく1日目の総走行距離は約660キロに及びました。なんと東京から岡山に相当する距離だと知り、おもわず笑っちゃいます。

北海道、広過ぎ。僕ら、走り過ぎ(笑)。

ボルボ XC60 D4 インスクリプションの内装 ボディカラー:ルミナスサンドメタリック
ボルボ XC60 D4 インスクリプションの1列目シート ボディカラー:ルミナスサンドメタリック

何より、椅子がいい

でも朝から晩までひたすら運転し続けたのに、疲労度は本当に最小限で済みました。筆者もこれまでボルボ車でロングドライブを経験していますが(例えば鹿児島から東京とか、千歳から東京とか、千歳から東京とか・・・実は今回が3度目の北海道→東京旅なんです)、毎回本当に驚かされます。明るくて居心地の良いインテリアの雰囲気に加え、何より椅子がいい。優しい曲線を描く大ぶりのシートが、お尻から腰回りにかけてすっぽりストレスなく包み込んでくれるのです。これはどのモデルでも共通するボルボ車の美点です。

それに加え今回のパートナーは、最新プラットフォームで一新されたSUVモデルのXC60です。比較的着座位置も高く見晴らしは良好。シートにはマッサージ機能まで備わります。余裕あるディーゼルの走りも、急な山道や高速道での安心感につながります。速度やナビの方向指示などをフロントウィンドウに投影し視線移動を最小限で済ませてくれるヘッドアップ・ディスプレイも、今回のような超ロングドライブには欠かせないアイテムだということも改めて実感できました。

苫小牧~八戸240キロを夜行フェリーで寝ながら移動

さてここからは大きなカーフェリーにクルマごと乗船。朝まで船旅です。

今回利用したシルバーフェリー(川崎近海汽船)のシルバーティアラは、2018年4月に就航したばかりというまだピカピカの新造船。8,600総トン型、長さ148.80mの大型船です。最大搭載人員は旅客494人・乗船員26人、最大搭載車両台数は12mトラック82台・乗用車30台で、従来の船舶より車両積載能力は2割増強しているそう。船室の6割は個室や準個室にしてプライベート空間を確保しているうえ、大浴場やキッズルーム、ペット同伴室にドッグランまであるというから、船旅に不慣れな方でも(私もそのひとりですが)安心して過ごせそうです。

ちなみにシルバーフェリーの苫小牧~八戸航路は1973年の就航以来2018年で開設45周年を迎えています。現在4艘のフェリーで1日4往復航行していて、年間の乗客35万人とトラック16万台、乗用車6万台を運ぶという、北海道と東北を結ぶ大動脈となっています。

さすがに今日はよく運転したせいか、ほぼ出航と同時にバタンキュー。シルバーティアラは苫小牧西港から太平洋を約8時間航行し、青森県八戸市の八戸港フェリーターミナルには朝7時半に到着しました。あーよく寝たよく寝た。寝ている間に約240キロも移動出来るのは効率的で本当に助かります。そして揺れもほとんど感じられず、実に快適な船旅でした。なるほど夜行のフェリー、いいですね。また使ってみよう。

さて、地上に降りてKカメラマンの愛車が停めてある羽田空港国内線ターミナルまでカーナビをセットすると、東京までの距離は700キロ弱、ノンストップで約8時間のコース。ふむふむその程度か。しかも昨日と違い全区間が高速道路だからね、楽勝楽勝と、もうすっかり感覚もマヒしてます(笑)。でもそのまま帰るのもつまらないし・・・

さあて今日は、どこへ「寄り道」しましょうか。

[レポート:トクダ トオル(オートックワン編集部)/Photo:小林 岳夫]

>>次回[ボルボ XC60 D4で1500キロ走破|じぇじぇじぇ!おら、北三陸に来ただ!編]に乞うご期待!

※2018年8月15日より価格改定と一部仕様変更を実施。

© 株式会社MOTA