初代社長は戦艦「大和」建造の最高責任者 佐世保の前畑造船 70周年で記念誌 「功績を知ってほしい」

 長崎県佐世保市干尽町の前畑造船は、7月2日に創立70周年を迎えたことに合わせ、記念誌を制作した。旧日本海軍の戦艦「大和」建造の最高責任者を務めた初代社長、芳井一夫氏の功績などを紹介している。
 同社は1948年に創業。これまでに、九十九島を巡る遊覧船「パールクイーン」と「みらい」をはじめ、旅客フェリーやタンカーなどを建造している。初代社長の芳井氏は呉海軍工廠(こうしょう)に在籍時、大和建造の最高責任者に当たる作業主任を務め、進水式を指揮したとされている。
 記念誌では、これまであまり知られていなかった芳井氏の経歴や功績を時系列にまとめた。同社が手掛けた主な建造船も写真付きで紹介している。約300部制作し、社内や取引先企業などに配布した。
 田頭愼一社長は「大和は造船に携わる者にとっては、今でも見本のような船。それに初代社長が携わっていた意義は大きく、功績を多くの人に知ってもらいたい」と話している。

記念誌を手に「初代社長が大和建造に携わった意義は大きい」と語る田頭社長=佐世保市、前畑造船

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