国土交通省、「大規模災害査定効率化ルール」を西日本豪雨災害に初適用 道路・河川の迅速な復旧を支援

 国土交通省は西日本豪雨を中心とする2018年梅雨前線豪雨などによる被災施設について「大規模災害時の災害査定の効率化(簡素化)及び事前ルール」を初適用する。災害復旧事業の災害査定の事務手続きを迅速化し、道路や河川などの迅速な復旧を支援する。

 ルール適用の対象区域は北海道、岐阜県、京都府、大阪府、兵庫県、鳥取県、岡山県、広島県、山口県、香川県、徳島県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、浜松市、京都市、神戸市、岡山市、広島市、北九州市、福岡市、熊本市、四日市港管理組合でこれ以外の区域においても必要に応じ個別に対応する。

 本ルールは17年1月に設けられた。激甚災害(本激)に指定または指定の事前公表された災害で、かつ緊急災害対策本部(政府)が設置された災害をカテゴリーS、激甚災害(本激)に指定または指定の事前公表がされた災害をカテゴリーAに分類。この要件を満たした場合に効率化を実施する。

 具体的には原則300万円未満だった机上査定額限度額をカテゴリーSは被害件数のおおむね9割、Aは7割となる金額まで引き上げることで査定期間を短縮。また、原則4億円だった採択保留額をSは保留件数のおおむね9割、Aは6割となる金額まで引き上げることで現地で決定できる災害復旧事業の金額を引き上げ早期の着手につなげる。

 さらに、既存地図や代表断面図などを活用することで測量・作図作業などを縮減。土砂崩落などにより被災箇所へ近寄れない現場に対しては航空写真を用いるなど設計図書を簡素化することで調査に要する時間を縮減する。

 これまでもさまざまな効率化を実施していたが、個別の災害ごとに効率化の内容を決めていたために決定まで約1カ月を要していた。今回は包括的なルールを実施することでさらなる迅速化を図る。

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