[田路昌也の中国・香港ドローン便り]Vol.02 中国製ドローン修理対応で感じた、日本とは異なる「おもてなし」について

中国でドローンが故障してしまった。あなたならどうする?

前回ご紹介したシャオミー製ドローンMiTuを室内で飛ばしていたら、壁に衝突し落下したところ4個あるモーターのうちひとつが回らなくなってしまいました。

悪いことは重なるもので、1年半前に購入したDJI社製Mavic Proを友人に貸し出したところ、飛行中に上空でジンバルが制御不能となり、以降動作が不安定になってしまいました。

このMavic Proは購入直後に、私が住む香港のDJI旗艦店で機体保証であるDJI Careに入ったのですが現時点で保証の1年を過ぎ、数ヶ月前から無保証となっていました。保証期限が切れる前にDJIホームページから延長しようとしたのですが、途中でエラーが出て進めず、結局延長を断念していました。

最近はMavic Proより手軽なMavic Airを使うことが多く、是が非でも延長したいという気持ちが薄かったこともあり簡単に諦めていました。

ということで二台のドローンが同時に故障という不運に見舞われてしまいました。

シャオミーMiTuは安価なドローンということもあり、もう一台新品を買って故障の機体は廃棄しようかとも考えたのですが、それでも半年保証という記載があったので、ダメもとでサポートに連絡してみたところ、「修理センターに送付してくれ」との指示。言われるままに機体を送付したところ、数日で新品が手元に送られてきました。

状況が飲み込めず、シャオミーサポートに連絡したところ「新品交換しました。シャオミーホームページの商品ページに高評価コメントをいただけると嬉しい」とのことで、こちらとしても非常に満足できる対応だったこともあり、その旨をコメント欄に記載しました。

深圳DJI本社お膝元、DJI旗艦店に持ち込んでみた

次にMavic Proですが、これは中国・深センの南山にあるDJI旗艦店に持ち込んでみました。

朝の開店と同時に入店し、まだ誰もいない修理サービスカウンターへ。「予約ありますか?」と受付の女性スタッフに聞かれましたが、予約をしていない旨を伝えるとその場で修理受付してくれました。

こちらからは、

購入後約1年半程度経過しており、DJI Careもすでに切れている機体である。先日飛ばしている途中で突然ジンバル部分が制御不能となり、手元コントローラ側には「ジンバルエラー」表示が出た。ドローンの飛行には問題ないが、カメラ撮影ができなくなってしまっている。

と症状の報告をしました。

受付の女性スタッフが

工場へ修理に出した場合は通常一週間程度かかりますが、機体の状態もよいので15分ほどお待ちいただければこのショップの技術者が解析してみます

とのこと、10分ほど経ったころ「420元で整備再生品と機体交換できます」とのメッセージ。メッセージにはAlipay(支付宝)のオンライン決済リンクがあり、クリックで簡単に支払完了。すぐに技術者が交換機体を持って来たので、その場で動作チェックし受け取り完了となりました。

こちらとしては保証期間外ということで、修理の日数も費用も覚悟していたのですが、1時間ほどで正常品に交換してもらえたのは非常に助かりました。

我々日本人にとって、中国製品は、安かろう悪かろうの代名詞、ましてや保証なんていい加減に違いないと思いがちですが、今回の中国メーカー二社の対応は素晴らしく、満足の行くものでした。

ただ、その顧客対応は日本の細かな心遣いでの「おもてなし」とは異なり、顧客の不満をいかに速度感を持って取り除くかを最優先する対応だと感じました。

国内13億人の巨大マーケットを相手にするには、ひとつひとつのケースを事細かに考え、対応する余裕はないはずで、それならばメーカー自身がある程度の損失を被ることを覚悟の上でスピード感で対応し、顧客満足度向上を狙う、そんなことを感じた今回のドローン二件の修理対応でした。

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