迷子犬を家族の元へ 神奈川県がチップ装着費を一部補助

 飼い主不明の犬が保護されるケースが後を絶たない中、神奈川県は飼い犬の体に埋め込むマイクロチップの装着費用の一部を補助する取り組みを始めた。チップに記録されたデータを読み込むことで飼い主をたどることができる仕組みで、行き場をなくした迷子の犬たちを一匹でも多く家族の元へ送り届けたい考えだ。

 県生活衛生課によると、対象は県内(横浜、川崎、相模原、横須賀市を除く)在住で、生後6カ月以上の犬の飼い主が対象。1匹当たり5、6千円程度という装着費用のうち2500円を上限に、1200匹まで助成する。

 マイクロチップの装着は県がホームページで公表している協力動物病院で行う。獣医師に直近の狂犬病予防注射済み票の提示が必要。チップは直径約2ミリ、長さ8~12ミリ程度の円筒状で、首の後ろの皮下などに埋め込む。装着後、飼い主の氏名や連絡先、犬の種類などをデータベースに登録する。

 県動物保護センター(平塚市)で保護した犬の殺処分数は5年連続でゼロを続けるものの、2017年度に飼い主不明で収容されたのは275匹。このうち、チップのデータをもとに“自宅”へ帰ることができたのは17匹だった。県生活衛生課は「災害時に逃げ出してしまったり、やせて首輪が外れてしまったりというケースも、チップがあれば飼い主の元へ届けることができる」と装着を呼び掛けている。

マイクロチップを装着する犬(県提供)

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