東京五輪サッカー男子 森保監督 「自分で考え 自分を成長させて」

 2020年東京五輪でサッカー男子の日本代表を率いる長崎市出身の森保一監督(49)が18日、諫早市内のホテルで小中高校生ら約300人を前に「私が歩いてきた道」と題して講演し、「自分で考えて自分自身を成長させてほしい」とメッセージを送った。
 長崎日大高時代の恩師で長崎フットボールクラブ代表の下田規貴さん(70)と同校サッカー部OBが、就任祝賀会とともに計画した。
 森保氏は中学時代、通っていた深堀中にサッカー部がなかったため、隣の土井首中の練習に参加していたエピソードを披露。その後、保護者の協力で創部したが、指導者は未経験で、学校のグラウンドも使えなかったという。「つらいことやうまくいかないことがあっても、目標を持ちながらやっていけば、夢を実現できる」と強調した。
 森保氏は、世界の舞台で活躍する香川真司、浅野拓磨両選手や同じ長崎市出身の吉田麻也選手らについて「今何が必要かを考え、次に向かって準備ができるタイプ」と紹介。一流のアスリートに成長するために、こつこつと練習を続けてほしいと訴えた。
 就任祝賀会では関係者らに「多くの方から激励をいただき心強い。自分なりに全力を尽くす」と決意を語った。

◎一問一答/メダル取ることが目標

 森保氏は講演会終了後、記者団の質問に応じた。

 -東京五輪での目標を。
 メダルを期待されている。メダルを取ることを目標にやっていく。
 -長崎県出身で五輪代表になりそうな有力な選手は。
 もちろんいるけれど、全ての選手に可能性があると思っている。最終的に力がある選手を選ばせてもらう。オーバーエージ枠もあるのでいろんな選手を見ながら、強いチームをつくっていきたい。
 -V・ファーレン長崎が初めてJ1に参戦する。
 古里長崎のチーム。高木監督とは日本代表時代にも一緒にプレーしているし、指導者になってからも連絡を取り合い情報交換している。成功してほしい。V長崎がもっともっと認知されて、長崎にサッカー文化が根付いてほしい。
 -平昌五輪で羽生結弦選手が金メダルを獲得した。
 絶対に勝ちたいという気持ちを持っている。どういうプロセスを踏んだのかは分からないが、相当な練習を積んで大会に臨んでいると思う。私たちもいい自信を持って東京五輪を迎えたい。
 -県民に一言。
 本当にたくさん応援してもらっている。皆さんに喜んでもらえるように頑張る。長崎と広島で人生の大半を過ごしている。世界に二つしかない被爆地であり、五輪は平和の祭典だと思っている。平和に対する思いを発信していきたい。

 【略歴】もりやす・はじめ 長崎市出身。深堀中から長崎日大高を経て、日本サッカーリーグのマツダ(J1広島の前身)に入団。広島、京都、仙台で主に守備的MFとしてプレーした。日本代表で35試合1得点。2004年に現役を引退。12年から5年半、広島で監督を務め、3度の優勝に導いた。20年東京五輪サッカー男子日本代表監督。

花束を受け取る森保監督=諫早市金谷町、諫早観光ホテル道具屋

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