姉暴行の男性に無罪判決 地裁支部が正当防衛認める

 神奈川県中井町の自宅で姉に暴行を加えてけがを負わせたとして、傷害罪に問われたトラック運転手の30代男性の判決公判が27日、横浜地裁小田原支部であり、安藤祥一郎裁判長は正当防衛の成立を認め、無罪(求刑罰金30万円)を言い渡した。

 判決によると、男性は2017年1月1日、自宅で、姉=当時(46)=に対し、肩を押して転倒させ、蹴るなどの暴行を加え、腰の骨折など約1カ月のけがを負わせた。

 安藤裁判長は判決理由で「姉は以前から次女に暴力を振るっており、事件当日も男性方で祖父らと生活している次女に謝罪させるために男性方を訪れた」と指摘。その上で次女を守ろうとした男性の対応について「防衛行為として相当性の範囲を超えたものとまでは認められない」とし、正当防衛が成立するとした。

 男性は罰金30万円の略式命令を受け、正式裁判を請求した。

 閉廷後、男性の弁護士は「(裁判官には)事実をきちんと認定し、判断してもらった」と話した。

 横浜地検の山口英幸次席検事は、神奈川新聞社の取材に対し「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とのコメントを出した。

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