第100回全国高校野球選手権神奈川大会は29日午前11時から、横浜スタジアムで南神奈川の決勝を行う。横浜-鎌倉学園は秋春に続いて3季連続となる因縁の対決だ。対戦成績は1勝1敗。個の能力が高い横浜とチーム力で初制覇を狙う鎌学の譲らぬ激戦が予想される。
※◎=第1シード、左が一塁側
◆攻め手多彩な王者 横浜◎
初の3連覇をうかがう王者横浜は攻め手が多彩だ。チーム打率3割6分7厘の打力に加え、6犠打、19盗塁と小技もある。3番齊藤は打率6割、チームトップ10打点とチャンスを逃さない。準々決勝で特大アーチの4番万波は、打率5割2分6厘を誇る。ルーキー度会は代打の準決勝で勝ち越し打。6盗塁の山崎はチーム一の俊足だ。
投げては2年生左腕及川が準決勝で速球を軸に五~八回は無安打とほぼ完璧な投球内容。13回18奪三振のエース板川はスライダーとチェンジアップの切れ味が抜群だ。ピンチでは右腕万波もマウンドに上がるほか、左腕松本、右腕木下の1年生も力がある。
しっかり相手研究
横浜・平田徹監督(35)の話 しっかり相手を研究して自分たちの質を高めたい。勝利のポイントなどはない。とにかく甲子園に行くんだという執念を持てるかどうか。そこに尽きる。
強み生かし全国へ
横浜・齊藤大輝主将の話 一人一人がチームのために動けるのが、ことしの強み。自分たちが目指しているのは甲子園で勝つ野球。まずはあと一つしっかり勝って、全国の舞台に立ちたい。
◆どこからでも得点 鎌学◎
初の頂点を狙う鎌倉学園は、今大会は不振が続いた4番松丸が、準決勝で逆転の2点二塁打を放って復活を果たしている。3番新倉が打率4割4分4厘で8打点。3盗塁と俊足の持ち主で、走攻守に秀でるチームの柱だ。6番竹村が打率5割、2番玉野は打率4割超と上位下位関係なくどこからでも得点できる。
背番号10の右腕大浦が角度のある直球を主体に3試合でリリーフし、防御率1・20。主戦小島は直球の切れと制球が本来の輝きを取り戻しつつある。右腕新倉も準決勝など2試合に登板して失点ゼロ。右の赤塚、左の作野もいる。延長戦を制した準々決勝で無失策と5戦2失策の堅守も光る。
今度こそ頂点立つ
鎌倉学園・竹内智一監督(36)の話 決勝の舞台は私自身も経験したことがない。昨秋と今春と、悔しい思いを味わってきたことをもう一度みんなで洗い直し、今度こそ頂点に立ちたい。
チーム全員で束に
鎌倉学園・西畑侑飛主将の話 OBやファンの声援があったから、ここまで粘り強く勝ち上がることができた。横浜は個々の能力がとてつもなく高い。チーム全員で束になって勝ってみせる。