【台風12号】神奈川5市で8人軽傷 不明男性は無事確認

 台風12号の影響で28日夜に冠水した神奈川県小田原市の国道135号で、救急車やパトカー、乗用車など計15台が高波などの被害に遭っていたことが29日、分かった。

 県警によると、一時行方が分からなくなっていたパトカーに保護された男性は、自力で高台に避難して無事だった。この男性を含め、冠水時に車両にいた29人全員の無事が確認された。警察官ら4人が軽傷を負った。

 県警によると、28日午後7時過ぎ、小田原市の国道135号で、救急車や複数の乗用車が冠水により立ち往生し、救出に駆けつけたパトカーも高波にのまれるなどした。29日未明までに小田原署が確認したところ、同市江之浦、米神付近で計15台が破損するなどした状態で見つかった。

 横浜地方気象台によると、小田原市や真鶴町には28日朝から高潮注意報が発表されていた。台風の影響で潮位が30センチほど高く、さらに台風の接近による高波の影響も重なったとみている。現在、西湘バイパス石橋インターチェンジ(IC)付近-湯河原町吉浜付近の約10キロ区間で通行を規制している。

 県などの29日午前7時現在のまとめによると、県内では三浦、平塚、川崎、茅ケ崎、小田原の5市で8人が軽傷を負った。高波で真鶴町の住宅1棟が半壊した。

◆県内の暴風、波浪警報など解除

 台風12号の接近に伴い県内に出されていた洪水、暴風、波浪の各警報は29日午前、全て解除された。12号は通過したが、温かく湿った空気の影響で昼前にかけて激しい雨の降る恐れがあるとして、横浜地方気象台は引き続き大雨警報を三浦半島や県央などに発表し、土砂災害への警戒を呼び掛けている。

 気象台によると、降り始めから同日午前5時までの総雨量は山北町で176・0ミリ、相模原市緑区で164・5ミリ、箱根町で149・0ミリ。28日以降に観測された最大瞬間風速は三浦が25・2メートル、小田原で19・9メートルだった。

冠水した国道135号付近で待機する救助隊=29日午前0時ごろ、小田原市

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