県連故郷巡り=日本人ハワイ移住150周年=ホノルル・フェスタで交流=第1回=海外版最高の142人参加

ホノルルでは参加者にレイの首飾り

 ブラジル日本都道府県人会連合会(山田康夫会長)の『第48回移民の故郷巡り』は3月7日から13日の間、日本人移住150周年を迎えた米国ハワイ州を訪ねた。州都ホノルルではちょうど第24回ホノルル・フェスティバルが開催されており、ハワイの日系人、日本からの参加者、そして環太平洋の国々から参加した人たちとの交流を楽しんだ。一行は3月7日にグアルーリョス国際空港に集合。メンバーは、これまでの海外版故郷巡りとしては最高の142人で、うちペルーから18人が参加者してホノルルで合流することになっていた。(伊東信比古さん寄稿)

 飛行機はシカゴ経由のホノルル行き。ブラジルは夏、シカゴは冬で零下5度。しかし空港内とあって寒さはそう感じなかった。シカゴでアメリカ入国検査を済ませる。乗り換えの待ち時間は7時間で時差は2時間。米国への入国は少し良くなったとはいえ、厳しく両手の指紋などしっかり検査される。
 第5ターミナルから第1ターミナルへ移動したが、時間もあるので心配はなかった。そして離陸のために滑走路へ向かった飛行機が引き返すなど、ハプニングがあり、ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港には1時間以上遅れて着いた。
 上空から見るホノルルは、眼下にヨットやクルーザーが沢山点になって見え、真珠湾は静かな雰囲気だった。シカゴで入国を済ませているので検査はなし。レイの首飾りを皆かけられてホテルへの送迎バスに乗りこんだ。
    ◎
 日本から海外の移住は、シャムに渡ったとされる山田長政や、東南アジア付近への行き来の中で起こった移動の歴史を除けば、政府を仲介したりする移民の歴史はなかった。
 まだ江戸幕府が残っていた1860年(万延元年)、日本の遣米使節団の咸臨丸がサンフランシスコからの帰途、石炭、水の補給のためホノルルに寄港した際、ハワイ王国のカメハメハ四世から労働者不足でサトウキビ収穫に困難をきたしていたことで、親書を遣米使節団に託した。
 日本は幕末で幕府の力は崩壊へ進んだ混迷期であり、政府の機能を失いつつあった。カメハメハ五世は、在日ハワイ領事として横浜に滞在していたユージン・ヴァン・リードに日本人労働者のハワイへ出稼ぎについて、徳川幕府と交渉し、300人分の渡航許可を受けた。
 しかし、その後、幕府が崩壊し、明治となった。そのため、明治政府はハワイ王国が条約未済国であることを理由に、徳川幕府との契約をすべて無効化した。だが、すでに渡航準備を終えていたヴァン・リードは1868(明治元年)、サイオト号で153人名の日本人を無許可でホノルルへ送り出してしまった。
 こうして送られた日本人労働者がハワイでは「元年者」と呼ばれた。
 十九世紀初頭、ハワイ王国において摂政カアフマヌが政治実権を握ると、キリスト教を中心とした欧米文化を取り入れようとする動きが活発化、王に取り入った白人が発言力を増すようになる。そうしてハワイアンの食料としてのみ栽培されていたサトウキビを、輸出しようと大規模生産が行われるようになった。
 そして1850年、外国人による土地私有が認められると、白人の投資家たちによってハワイ各地にサトウキビ農場が広がり、一大産業へと急成長する。
 その後、アメリカ国内において南北戦争が勃発したが、1876年の関税撤廃に至り、ハワイ王国は世界有数のサトウキビ輸出国となった。増加する農場に対し、ハワイ王国内では労働力を確保することができなかったが、1852年、3年間という契約で、中国より最初の契約労働者がハワイへ入った。
 以降中国より多数の労働者が入ったものの定着率が悪く、契約終了後、独自に別の商売を始めるなどして、彼らに対する風当たりが強くなる。
 ハワイ王国は中国よりの移民の数を制限するようになった。そして他の国からの労働力を入れるようになった。日本もそのひとつであった。
 1898年、ハワイがアメリカに併合されると、アメリカの中国人排斥法が適用され、中国人の移住が事実上不可能になった。(つづく)

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