炎天下の工事現場 “規格外”の夏に対策 取材で見えたプロ意識【ルポ】

作業員に好評「電動ファン内蔵上着」や「霧が出る扇風機」

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 気象庁が「災害と認識している」と表現した今年の猛暑。長崎県内は28日現在、10日間連続で気温35度以上の猛暑日となり、熱中症で救急搬送される人が後を絶たない。そんな中、炎天下で仕事をする人たちはどんな対策をとっているのか-。工事現場の作業員に密着した。

 26日正午すぎ。長崎市大園町の河川工事現場には、厳しい日差しが容赦なく照り付けていた。気温30度を超える真夏日の中、市発注工事を請け負う同市の建設会社「西海興業」の作業員4人が重機や手作業で石を積み上げる作業に汗を流していた。
 現場責任者の廣瀬幸治さん(58)が作業員の熱中症対策用のチェックシートを見せてくれた。「6時間以上寝たか」「夕食と朝食は食べたか」…。数種類の項目について朝、昼、作業終了時の3回点検。「作業員の体調を常に気にかけている」という。
 炎天下の作業、まして、今年のような「規格外」の暑さの中での屋外作業は熱中症のリスクが高い。このため、同社は、事務所や休憩所にスポーツドリンクや熱中症対策キットなどを常備し、作業員には電動ファン内蔵の上着を着用してもらっている。さらに、今年は霧が出る扇風機を新たに導入。「普通の扇風機とは全然違う」と作業員には好評だ。
 午後2時。現場の温度計は35度を超えた。とめどなく汗が噴き出す。「この暑さはまずい」。そう思って作業員に目を向けると、意外にも表情は涼しげ。作業場が林と土手で影になっていた。聞けば、同社では、暑い時間帯に作業場に影ができるよう作業場所を工夫しているのだという。「誰でも考えそうなこと」と廣瀬さんは笑顔を見せた。
 休憩時間。廣瀬さんが冷えたスイカを振る舞ってくれた。作業員4人と一緒にかぶりつきながら、暑さへのそれぞれの対処法を尋ねた。「梅干しや食塩を持参」「(1人)毎日4リットルの水を持ち込む」「作業服に保冷剤を入れる」「アルコールをほどほどにする」とそれぞれ対策に余念がない。作業員の一人は「普通より暑いけど、どうにか倒れない程度にやっている」と明かしてくれた。
 廣瀬さんによると、作業現場で熱中症が出れば「事故」扱いとなり、工事の中断を余儀なくされるのだという。「いろいろな工夫、対策をしないと身体がもたない。その分お金もかかるけど、工事が中断になる方がリスクが高い」。工事の終了予定は8月末。廣瀬さんは、作業員の健康と工事の進行状況の管理でなかなか気が休まらない。
 1日の作業が終わりに近づいた午後4時半。ツクツクボウシの鳴き声が聞こえてくる。日はまだ高かったが、現場に風が吹き抜けると、作業員が声を上げた。「よーし、あとひと踏ん張り」

気温30度を超える真夏日の中、黙々と石を積み上げる作業員たち=長崎市大園町