狙う外野の定位置争いに、トレード移籍の岡が参戦
開幕からチームを支えていた荻野貴司外野手が、「右手第二指基節骨骨折」で戦線を離脱し、ロッテの正中堅手のポジションが空いた。チームとしては痛いが、1軍枠が空くということは他の選手にとってはチャンス。これをモノにしようとアピールを続けているのが、プロ8年目の伊志嶺翔大外野手だ。
伊志嶺は東海大学から2010年ドラフト1位でロッテに入団。1年目の2011年は126試合に出場して打率.261、32盗塁をマークしたが、その後は打撃不振や故障などでレギュラーを勝ち取ることはできず。2016年オフには、背番号も「5」から「38」へと変更になった。
今季は開幕を2軍で迎えたが、開幕直後の4月12日に1軍昇格。同日の西武戦で「6番・指名打者」でスタメン出場し、安打も放ったものの、同18日に再び2軍生活が始まった。
「1軍にいても2軍にいてもやることは変わらない。自分のレベルアップ、成長する気持ちでプレーしていました」
再び1軍昇格のチャンスが来ることを信じて、腐ることなく、自身がやるべきことに必死に取り組んだ。
荻野貴選手の故障で再昇格
1軍へ戻ってきたのは7月10日。骨折した荻野貴選手と入れ替わる形だった。「いつもと変わらずにプレーすることを心がけています」と意気込みを語った。
昇格後は代打や代走で3試合に出場。7月18日の東北楽天戦で今季2度目のスタメン出場を果たす。しかし、この試合の第3打席で犠打に失敗し、途中交代となってしまった。「バントは失敗しましたけど、途中で代わった後も出ている選手を応援する気持ちでした」と悔しさを抑え、チームのためにベンチで懸命に応援した。
チャンスはまたすぐにやってきた。20日のオリックス戦で「7番・中堅」で出場し、今季初の猛打賞。前回の失敗を安打という形で見事に取り返した。
これで勢い付いた伊志嶺は、22日のオリックス戦、24日のソフトバンク戦で2試合連続マルチ安打を達成し、現在3試合連続安打中。打率は驚異の.474と、打撃面で素晴らしい働きを見せている。
「スタメンで出させてもらったのであれば、出られない人の分までチームの代表として出場しているので、目の前のプレーを一生懸命にやること、1球に集中することを意識しています」
数少ないチャンスをモノにした伊志嶺だが、同じく外野を守る岡大海がトレードで日本ハムからやってきた。同じ右打者で俊足型と似たタイプの選手。ポジションを争うライバルが加入したが、伊志嶺は「特に変わらないです。やることは一緒です」と意識することなく、自分がやるべきことをやっていくつもりだ。(「パ・リーグ インサイト」編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)