台風12号、小田原漁港の建設中施設に高波 土砂流入

 台風12号の高波で、小田原市が小田原漁港西側エリア(同市早川)に建設中の交流促進施設に土砂が流入するなどの被害が出たことが29日、分かった。市は来年5月の開業に向けて準備を進めていたが、安全面を含め予定通りに開業できるか、詳細な調査を行うとしている。

 市水産海浜課によると、建物1階部分に大量の土砂や岩などが流入。海側に面した窓ガラスは割れ、扉や壁などが壊れた=写真。施設は海から約15メートル離れた場所にあり、沖合には高さ約7メートルの防波堤があったが、同課の佐藤正和課長は「現場に来てがくぜんとした。ここまでの被害は想定していなかった」と話した。

 28日夜に警備会社にアラーム通報があり、警備員が駆け付けたが、波が高く、施設に近づける状態ではなかったという。市は台風通過後の29日朝に現地で被害を確認した。

 施設は3階建てで、総事業費約7億円を投じて、鮮魚などの販売スペースや、レストランなどを整備する計画。建物の外観はほぼ完成していたが、市は安全面を最優先に、建物の基礎部分などに影響がないか、調査を行う。

台風12号による高波で大量の土砂や岩などが流入し、天井部分が損壊した施設=29日午後、小田原市早川

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