潜伏キリシタンの歴史 随所に 春日集落の魅力 歩いて実感 平戸

 世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「平戸の聖地と集落」の一つ、平戸市春日町の春日集落で28日、散策イベントがあった。集落の歴史に思いをはせながら約20人が5キロのコースを歩いた。
 春日集落は、同じ構成資産で市内最高峰の安満岳(536メートル)の麓にあり、潜伏キリシタンが生活していた当時の集落形態をとどめる。イベントは景観保護への関心を高めようと、地元住民でつくるまちづくり団体「安満の里 春日講」(寺田一男会長)が毎年開いている。
 参加者は春日公民館を出発。キリシタン墓地があった聖地「丸尾山」や、江戸時代後期に平戸藩が放牧していた馬を洗っていたとされる川「馬洗川」などを生月ボランティアガイドの説明を聞きながら見学。春日地区などの住民は今も安満岳のわき水を生活用水として利用していることも学んだ。
 福岡県朝倉市の無職、大内田輝義さん(78)は「実際に歩き話を聞くことで深い歴史を感じた。棚田も美しい」。寺田会長(68)は「今後も定期的に集落の魅力を発信する活動に取り組みたい」と話した。

ボランティアガイド(左)の解説に耳を傾ける参加者=平戸市春日町

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