【病院中毒死】未使用点滴袋から消毒液成分 元看護師送検

 横浜市神奈川区の旧大口病院(現・横浜はじめ病院)で2016年9月に起きた点滴殺人事件で、事件発覚後に4階のナースステーションに保管されていた未使用の点滴袋のうち6袋から、消毒液の成分が検出されたことが30日、捜査関係者への取材で分かった。神奈川署特別捜査本部は、4階に入院していた男性=当時(88)=の点滴袋に消毒液を混入させて中毒死させたとして、殺人容疑で再逮捕した同院の元看護師久保木愛弓容疑者(31)が関与した可能性があるとみて、捜査を進める。

 捜査関係者によると、6袋の中には、男性=当時(88)=以外の患者名や投与予定日を記載したラベルが貼られたものもあった。6袋からは消毒液に含まれる殺菌作用の強い界面活性剤の成分が検出された。特捜本部は同容疑者が注射器で消毒液を混入させたとみており、この6袋のゴム栓部分の保護フィルムにも針で刺したような跡が見つかった。

 特捜本部によると、同容疑者は=当時(88)=に投与予定の点滴袋に消毒液を混入させたことを認めている。=当時(88)=の遺体と点滴の残りからは界面剤の成分が検出された。

 特捜本部は同日、久保木容疑者を同容疑で送検した。

事件の起きた旧大口病院=横浜市神奈川区

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