葬儀の日に写真アップ、ザギトワさんに批判殺到

By 太田清

記者会見するザギトワ選手=3月30日、東和薬品ラクタブドーム

 平昌冬季五輪フィギュアスケート女子の金メダリスト、ロシアのアリーナ・ザギトワ選手(16)がインスタグラムに、自分のトレーニングの様子を撮った写真を掲載したところ、批判コメントが殺到する事態となった。掲載した日がカザフスタンで刺殺された2014年ソチ冬季五輪フィギュアスケート男子の銅メダリスト、デニス・テン選手(25)の葬儀の日だったためだ。ロシアのニュースサイト「ガゼータ・ルー」が伝えた。 

 写真の中でザギトワ選手はピンクのトレーニングボールにもたれかかり、スマートフォンを操作。モスクワ郊外のトレーニング施設で撮影したとみられる。「伝統にのっとって」とのコメントの横には星が光ったハートマークの絵文字なども添えられた。 

 これに対し、インスタグラムのユーザーからは「自己陶酔にひたるのは別の日でもできたはず。テン選手の葬儀の日じゃなくても」など多数の批判が寄せられたほか、平昌五輪の銀メダリスト、メドベージェワさんら多くのフィギュア選手がSNSなどに哀悼の意を表したのに、ザギトワさんはそうしたコメントを寄せていないとの指摘もあった(ザギトワさんが本当にどのメディアを通じても、哀悼の意を示していなかったどうかは不明)。

 一方で「この時期に写真を掲載するのはよくない。どんな結果を招くか分かっていたはず。だけど君はまだ16歳で、人生経験が足りないだけなんだ。自分を責めないで」と慰めるコメントも書き込まれた。写真には7万以上の「いいね」も付いている。 

 テン選手は7月19日、最大都市アルマトイの路上で自分の車からミラーを盗もうとした2人を見つけて争いになり、刃物で刺されて死亡。市民葬は21日、カザフスタンの最大都市アルマトイのスポーツ施設で行われ、数千人が参加。ムハメディウルイ文化スポーツ相が「カザフスタンだけでなく、世界中が悲しんでいる」と弔辞を述べた。 (共同通信=太田清)

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