最多78カ国 平和式典参列へ 核禁条約影響か、暑さ対策も

 長崎市は30日、長崎原爆の日の平和祈念式典に過去最多の海外78カ国(25日現在)の駐日大使らが参列を予定していると発表した。これまで過去最多だった被爆70年の2015年の75カ国より3カ国増え、市は「昨年採択された核兵器禁止条約の影響だろう」としている。核保有8カ国のうち米国を除くインドやパキスタンなど7カ国が出席する見通し。米国からは例年直前に連絡が来るため、今のところ返答はないという。
 市は、日本と国交のある155カ国の大使館に招請。コソボ、モルディブ、レバノンの3カ国が初めて参列する。国連のグテレス事務総長が初出席に向けて調整中で、出席の場合は献花とあいさつをする予定。包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会のラッシーナ・ゼルボ事務局長は出席し、献花を予定している。
 式は午前10時40分~11時45分の1時間5分。例年、予定時間を超過しているため、動線を見直し献花のタイミングを早めて式典の時間短縮を図る。開式時間は例年よりも5分遅らせた。被爆者でつくる合唱団「ひまわり」の歌で始まり、遺族代表らが原爆死没者名簿を奉安。献花などを経て、午前11時2分に黙とうをささげ、田上富久市長が長崎平和宣言を述べる。
 今年は昨年よりも暑さ対策を強化する。ミストシャワーを大テントに1カ所増やし3カ所、特別来賓テントに1カ所設置。さらにミスト扇風機20台と氷柱20本も置く。参列者には、瞬間冷却剤を配布する。
 式典の屋内会場は、長崎原爆資料館(平野町)と長崎ブリックホール(茂里町)の2カ所。ブリックホールのみ、慰霊柱や献花台を設置する。

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