【高校野球】歴史的大勝の大阪桐蔭 地方決勝で23例目の20得点以上で春夏連覇へ弾み

大阪桐蔭・根尾昂【写真:沢井史】

KKコンビは本大会でも東海大山形に29-7の甲子園記録

 7月30日、第100回全国高校野球選手権の最後の代表校が決まった。なかでも北大阪代表の大阪桐蔭は、大阪学院大高を23-2という大差で下した。

 23得点、21点差ともに、大阪府大会としては、最多記録だ。

○最多得点
2018(平成30)大阪桐蔭23-2大阪学院
1985(昭和60)PL学園17-0東海大仰星
1921(大正10)市岡中17-4桃山中
2005(平成17)大阪桐蔭15-3大商大堺
2004(平成16)PL学園13-7大阪桐蔭

 1985年のPL学園は、KKこと桑田真澄、清原和博が3年生になった最後の選手権。全国大会でもPL学園は初戦だった2回戦で東海大山形を29-7で下す。毎回得点、最多得点、最多得点差など甲子園の記録を塗り替えた。PL学園はこの勢いのまま優勝している。

 大阪桐蔭の名前が3回出てくる。2005年の大阪桐蔭は平田良介(現中日)、中田翔(現日本ハム)、辻内崇伸(元巨人)などが中心。平田は準々決勝の東北戦で1試合3本塁打を記録したが、準決勝で田中将大(現ヤンキース)の駒大苫小牧に5-6で敗れている。

 2004年はPL学園と大阪桐蔭が決勝で当たり、4-4で引き分け再試合になった。再試合では、PL学園が13-7で大阪桐蔭を下している。

決勝で20得点以上はすべて戦前と平成、戦後の昭和時代は1例もなし

 23得点は、過去の全国の地方大会の決勝戦の得点としても歴史的だ。地方大会決勝で20得点以上したのは23例目だった。

1934(昭和9)東北大会 福島師範29-1平商
2010(平成22)宮城大会 仙台育英28-1気仙沼向洋
1928(昭和3)年京津大会 平安中28-2膳所中
1936(昭和11)東京大会 早稲田実28-5日大一中
1920(大正9)北陸大会 長岡中27-4石川師範
1920(大正9)紀和大会 和歌山中26-0奈良師範
2009(平成21)東東京大会 帝京24-1雪谷
1917(大正6)紀和大会 和歌山中24-0奈良師範
1915(大正4)東北大会 秋田中23-0秋田農
2018(平成30)北大阪大会 大阪桐蔭23-2大阪学院
2017(平成29)静岡大会 藤枝明誠23-10日大三島
2018(平成30)石川大会 星稜22-0金沢学院
1940(昭和15)山静大会 島田商22-2静岡商
1991(平成3)富山大会 富山商22-2不二越工
1919(大正8)東北大会 盛岡中21-1函館商
2002(平成14)秋田大会 秋田商21-4秋田南
1936(昭和11)京津大会 平安中21-1京都一商
2001(平成13)島根大会 開星21-0出雲工
1937(昭和12)東北大会 山形中20-17仙台一中
2004(平成16)宮城大会 東北20-2利府
1941(昭和16)岐阜大会 岐阜商20-0岐阜二工(※)
1930(昭和5)京津大会 平安中20-2膳所中
2015(平成27)香川大会 寒川20-4丸亀城西
※戦争激化のため本大会は中止、地方大会のみが行われる。

 23例のうち13例は戦前の「中等学校野球大会」時代。10例は平成になってからと、はっきりと時代が分かれた。

 戦前は参加校数が少なく、実力格差が大きかったため、決勝戦で大差がつく例があった。平成になってからの大差の決勝戦は、私学の強豪校に有力選手が集まる傾向が強まったことが原因ではないかと思われる。

 今年は石川大会でも、決勝で星稜が金沢学院を22-0で下している。

 大阪桐蔭は史上初の2回目の春夏連覇がかかっている。甲子園ではどんな試合をするだろうか。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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