15年ぶり大接近 火星、明るく大きく 大迫力、天体ファン興奮

 夜空に赤く輝く火星が31日夜、地球から5759万キロまで「大接近」した。火星は約2年2カ月ごとに接近しているが、6千万キロを切るのは2003年以来で、15年ぶりの近さだ。

 火星の直径は地球の半分程度と小さい。遠いと望遠鏡でも詳しく見られないが、大接近中は模様まで観察できるチャンスという。

 日本では火星が空に昇る前の31日午後4時50分が、最も距離が縮まる時刻。日が暮れると南東から昇り、各地で待ち構える天文ファンたちを楽しませた。

 15年ぶりに火星が大接近した31日夜、市民を招いた観測会が平塚市博物館(同市浅間町)で行われた。市民からの寄付で新たに購入した最新望遠鏡を使い、ひときわ大きい赤い惑星の姿に歓声が上がった。

 火星はこの日、地球に5759万キロの距離に接近。同館によると、火星では大規模な砂嵐が発生しているため地表面は見えづらいが、南極や北極にある白い「極冠」などを観測することができるという。

 観測会には多くの親子連れや天体ファンらが参加。同館の屋上で最大倍率400倍で見える望遠鏡をのぞき、子どもたちは「見えた、見えた」「すごい光っている」と興奮気味だった。

 地球に接近した火星は9月上旬まで観測することができ、真夜中の午前0時ごろに真南の空に見える。次に火星が接近するのは2035年9月という。 

最新の望遠鏡をのぞき込み火星を観測する参加者ら=平塚市博物館

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