横浜大空襲祈念のつどい、29日開催は中止 「12月に」

横浜大空襲の犠牲者を悼む平和祈念碑=大通り公園(2019年5月)

 空襲の犠牲者を悼み平和の大切さを語り継ぐ催し「『5.29』横浜大空襲祈念のつどい」が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止されることが決まった。1万人近くが犠牲になったとされる惨禍から75年の節目の年。戦争を知る世代が減りゆく今、主催者は決して風化させまいとコロナ終息後の開催を誓う。

 横浜の中心部が米軍のB29爆撃機が投下した焼夷(しょうい)弾によって焼かれ、推定8千~1万人の命が奪われたとされる横浜大空襲。つどいは市民団体「横浜の空襲を記録する会」が主催し、毎年5月29日に開催してきた。例年は100人近くが参加し、黙とうして犠牲者の冥福と世界平和を祈るとともに被災者が語る戦争の悲惨さに耳を傾けている。

 75年の節目となる今年は、横浜にぎわい座(横浜市中区)で29日に開催予定で、多くの市民らの参加を見込んでいた。しかし、コロナ禍の影響で同館が臨時休業していることを受け、同会は開催見送りを決めた。

 同会の藤井厚さん(72)は「今年は75年の節目であり、できれば12月に催したい」と説明、後世に平和の尊さをつなぐ意義を強調した。問い合わせは、藤井さん電話090(8303)722l。

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