豪雨災害、連続猛暑 記録づくめの7月 天候まとめ

7月の天候(上から、平均気温の平年差、降水量の平年比、日照時間の平年比)出典:気象庁ホームページ

 気象庁は1日、7月の天候のまとめを発表した。太平洋高気圧の勢力が日本付近で強かったため、月平均気温は全国的にかなり高かった。一方、上旬は梅雨前線や台風7号の影響で、西日本を中心に全国的に記録的な大雨となり「平成30年7月豪雨」が発生した。

記録的高温 47地点で月平均気温1位

 東日本の月平均気温は平年差+2.8℃で、7月としては統計がある1946年以来1位の高温、西日本は1994年に次ぐ2位タイの高温となった。熊谷(埼玉)、京都など47地点で、7月の月平均気温高い方から1位の値を更新している。
 
 東・西日本は、14日から26日にかけては、猛暑日となる日が全国の100地点以上のアメダス(集計地点数927)で続き、記録的な高温となった。23日には熊谷(埼玉)で日最高気温が41.1℃を観測し、歴代全国1位記録を更新したほか、福岡などアメダス108地点で通年の日最高気温高い方から1位の値を記録した(タイを含む)。
 
 ▼月平均気温 高い方から1位を更新した主な地点(平年差)
 仙台  25.5℃(平年差+3.3℃)
 福島  27.5℃(平年差+3.9℃)
 新潟  27.4℃(平年差+3.1℃)
 金沢  28.3℃(平年差+3.0℃)
 熊谷  28.9℃(平年差+3.6℃)
 名古屋 29.3℃(平年差+2.9℃)
 京都  29.8℃(平年差+3.0℃)

「平成30年7月豪雨」

7月7日までの72時間降水量。各地で記録的な雨量となった。 出典:気象庁ホームページ

 8日頃にかけて、梅雨前線や台風7号の影響で、多量の水蒸気が長時間にわたって流れ込んだため、全国的に大雨となった。西日本を中心に、土砂災害や河川の氾濫など甚大な被害が生じた。

月末に台風12号上陸

8月1日午後4時50分の気象衛星画像 台風の中心は奄美市の西およそ300kmにある

 寒冷渦や台風第12 号の影響で東・西日本では曇りや雨の日があり、大雨や大荒れとなった所もあった。西日本太平洋側は、上旬の記録的な大雨に加え、台風12号が九州南部付近で速度が遅くなった影響で雨の降り続いた所があり、月降水量がかなり多かった。

 ▼月降水量 多い方から1位を更新した地点(平年比)
 多度津(香川) 464.5ミリ(平年比324%)

日照 北陸を中心に記録更新

 太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多く、月間日照時間は東日本と西日本日本海側でかなり多かった。東日本日本海側の月間日照時間は平年比179%で、統計がある1946年以来7月として1位の多照となった。一方、北海道太平洋側は平年よりかなり少なかった。
 
 ▼月間日照時間 多い方からの1位を更新した地点(平年比)
 金沢     289.4時間 (平年比182%)
 伏木(富山) 287.8時間 (平年比188%)
 富山     288.7時間 (平年比196%)
 高田(新潟) 277.6時間 (平年比180%)
 諏訪(長野) 260.5時間 (平年比157%)

 ▼月間日照時間 少ない方からの1位を更新した地点(平年比)
 浦河(北海道) 59.1時間 (平年比54%)

30日(月)発表の異常天候早期警戒情報 出典:気象庁ホームページ

 なお、最新の1か月予報によると、8月上旬は東海以西の地域を中心に猛烈な暑さが続く見通し。8月中旬以降も、東・西日本は平年並みか高い予想となっている。

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