ガラスのうさぎ像に鶴、平和の祈り 二宮駅前、5万羽手作り

 平和の尊さを後世に伝えるため、神奈川県二宮町のJR二宮駅前に立つ「ガラスのうさぎ」像に、市民らが手作りした5万6千羽の千羽鶴が1日、飾り付けられた。15日まで。

 「ガラスのうさぎ」は児童作家の高木敏子さんの戦争体験をつづった作品。敗戦間近の1945年8月5日、同駅近くで米軍機の機銃掃射によって父を亡くした。戦争の悲惨さを伝えようと、像は作品をモチーフに81年に建立された。

 千羽鶴は町内外から寄せられ、地元の県立二宮高校の生徒らの手によってつなぎ合わされた。この日は町職員や同校家庭科部の生徒2人の手で飾り付けが行われた。

 同部部長で3年の山崎瑠奈さん(17)は「千羽鶴をただ飾っているわけではないと多くの人に知ってほしい」と願い、3年の原田夏実さん(18)は「戦争を知らない自分たちは、鶴を折ることで平和を考えるきっかけになる」と話した。

 5日午後1時からは二宮町二宮の町生涯学習センター「ラディアン」で「平和と友情のつどい」があり、地元中学生による碑文の朗読などが行われる。

「ガラスのうさぎ」像に千羽鶴を飾る二宮高校の生徒=JR二宮駅前

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