「かながわの名産100選」見直し 五輪の訪日客増見据え

 2019年のラグビーワールドカップ(W杯)、20年の東京五輪・パラリンピックを見据え、神奈川県は地元の伝統と風土に培われた物産を認定する「かながわの名産100選」の見直しに乗り出す。前回の選定から10年が経過したことに加え、インバウンド(訪日外国人客)需要の拡大を狙ってより観光的な側面に着目。新たにご当地グルメなど食の魅力にも幅を広げ、訪日観光客が思わず足を止め、手に取りたくなる逸品を誘客の呼び水として拾い上げていく。

 名産100選は1985年に初めて選定、2006年に見直しが行われた。現行の100選では、鎌倉彫や箱根の寄木細工といった伝統工芸品のほか、高座豚、足柄茶、湘南の生しらす、三崎のまぐろなどが選ばれている。

 県観光企画課によると、従来は物産振興の側面が強かった上、再選定から10年がたち、伝統工芸品の中には担い手不足で入手が困難な商品が出るなど情勢が変化。国際的なスポーツイベントが控えていることも好機と捉え、2度目の見直しを図ることとなった。

 推薦基準は県内で生産・販売されている物品。地域の名産品として認知されているか、伝統ある物としながらも、固定観念には縛られない。▽観光客へ強力にPRできるみやげ品▽外国人観光客におすすめしたい特産品▽神奈川を代表するご当地グルメ-など。近年ちまたで人気を集める食品・名物も広く募っていく考えだ。

 さらに、外部の視点も取り入れ、インターネットを通じて県外在住者にも投票を募り、神奈川を訪れた際に気に入ったものを推薦してもらう。観光関係者や有識者らでつくる選定委員会で審査し、結果は年度末に公表する。

 同課は「こちらがイメージしていなかったものもあるかもしれない。皆さんが考える神奈川の魅力あふれる一押しの特産品をぜひ紹介してもらいたい」と新たな名物の発掘に期待を寄せている。

 応募は9月28日必着。郵送、ファクス、インターネットで受け付ける。問い合わせは、同課電話045(210)5767。

2006年に選定された現在の「名産100選」。再選定でご当地グルメなど新たな名物の発掘に期待がかかる

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