FFGと十八銀 公取委 統合承認へ 月内にも 競争環境維持に理解

 ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)と十八銀行(長崎市)の経営統合計画を公正取引委員会(公取委)が承認する方向で最終調整していることが1日、関係者への取材で分かった。県内取引先が他の金融機関へ借り換える規模が1千億円弱になり、受け入れ姿勢を示す金融機関も多いことから、公取委は競争環境を保てると判断したもようだ。両社は2019年4月の統合実現を目指す。

 公取委は早ければ8月中にも承認する見通し。2年半に及んだ異例の審査が決着すれば、全国の地銀再編の機運が高まるとみられる。
 十八銀とFFG傘下の親和銀行(佐世保市)が合併した場合、県内企業向け貸出金シェアが約7割と圧倒的になる。このため公取委は、競争が制限され、取引先に金利上昇など不利益をもたらす恐れを指摘してきた。これに対し両行は昨年、取引先500社に調査。譲渡可能額は500億円程度で公取委の想定に届かなかったが、今年は全取引先約1万6千社に再調査し、1千億円程度まで積み増した。
 FFGと十八銀は、県内に拠点がある約20の金融機関に借り換えを打診。一方で、公取委は受け入れが可能かどうか各金融機関に聞き取っている。このうち佐賀銀行(佐賀市)などが全額受け入れる方針を表明。長崎銀行(長崎市)を傘下に置く西日本フィナンシャルホールディングス(福岡市)も協力姿勢を示し、審査している。
 公取委は有力な競争相手をつくるための問題解消措置を要求。FFG・十八銀側は、不当に金利を引き上げていないか第三者機関がチェックする体制などを提案しているが、公取委側は承認に向け、さらなる追加措置を求めるとみられる。
 両社は16年2月、経営統合に基本合意。だが、県内1番手と2番手銀行の合併による市場寡占化を警戒する公取委との協議で溝が埋まらず、17年7月に統合の無期限延期を表明していた。

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