ニッサン、スパ24時間初参戦の2018年型GT-Rが7位入賞。「みんなが誇れる仕事をした結果」とオルドネス

 ブランパンGTシリーズ第7戦『第70回トタル・スパ24時間』が7月29~30日、ベルギーのスパ・フランコルシャンで行われ、ニッサンGT-RニスモGT3を走らせるGT SPORT・モチュール・チームRJNは、23号車GT-Rが総合7位、22号車GT-Rはシルバーカップ5位/総合37位でレース終え、2台揃って完走を果たした。

 イギリスに本拠を置くGT SPORT・モチュール・チームRJNは2018年シーズン、チーム名を新たにブランパンGTシリーズのエンデュランスカップにフル参戦。

 ルーカス・オルドネス、アレックス・バンコム、マット・パリーのトリオがドライブする2018年モデルの23号車GT-Rを自動車メーカーワークスチームなどが多数参戦する同シリーズのプロクラスに送り込むと同時に、2015年型の22号車GT-Rをシルバーランクドライバーのみで構成されるシルバーカップで走らせている。

 そんなチームはシーズン開幕からスパラウンドまでの計3戦で上位入賞が第3戦ポール・リカールの総合5位のみと苦戦を強いられてきたが、7月上旬にスパで行われたテストでは23号車GT-Rが好タイムをマークするなど本番に向けて手応えを掴んでいた。

 迎えた本戦では、予選トップ20台のマシンがポールポジションを争う“スーパーポール”への進出をわずか0.021秒差で逃し、総合21番手スタートとなった23号車GT-Rがスタートから3時間の段階でトップ3圏内に進出する。

 その後、ルーティンのピット作業とフルコースイエローのタイミングが合わないといった不運などもあり徐々にポジションを落としていくことなった23号車GT-Rだが、24時間を通してメカニカルトラブルは発生せず。最終的にワン・ツー・フィニッシュを飾ったBMW M6 GT3を筆頭に、トップ6を占めたBMW、アウディ、メルセデスAMGのドイツメーカー勢に次ぐ総合7位でチェッカーを受けた。

■「ドイツ車以外のトップメーカーとなったことを誇りに思う」

21番手からスタートした23号車GT-R
オー・ルージュを駆け上がる22号車GT-R

「とても幸せな一日だったよ! スパ24時間を完走するのはいつだって素晴らしいニュースと言えるものだ」と語るのはGTアカデミー・バイ・ニッサン出身で日本のスーパーGT300・500クラスにも参戦したオルドネス。

「スパは今季の挑戦のなかでもっとも難しく、もっとも多くのポイントが得られるレースだった。この週末に7位でフィニッシュできて本当に良かったよ」

「ニッサン/ニスモ、そしてチームにとっても満足と言える結果だと思うし、チームはこのリザルトを残すために本当に努力を重ねてきたんだ。僕たちは(トップ6を占めた)ドイツ勢に次ぐトップメーカーであり、僕はそれをとても誇りに思っている」

「世界でもっともチャレンジングなサーキットのひとつであるスパを、60台以上のGT3カーが同時に走るなかでレースを戦っていくのは簡単なことではない。コースに出ればいつでも周りにクルマが居るから、つねにトラフィックに悩まされるしアクシデントとも隣り合わせだ」

「レースではこれらをすべて避け、クルマをマネジメントしながらフィニッシュ向けて運んでいくことが重要になったが、アレックス(・バンコム)とマット(・パリー)はいつものようにすばらしい仕事をしてくれた。僕らもまた自らの仕事を誇りに思うべきだね」

 ストルアン・ムーア/リカルド・サンチェス/ジョーダン・ウィット/ショーン・ウォーキンショーという布陣でシルバーカップにエントリーしている22号車GT-Rは、レース中盤のピットストップ中に火災に見舞われ、クラス5位/総合38位まで上げていた順位を下げてしまうことに。

 しかしチームクルーの迅速な作業によって最小限のタイムロスでコースに復帰した22号車GT-Rは、その後好ペースでポジションを回復していくと、最終的にクラス5位/総合37位でチェッカーを受けた。

 スパ24時間を終えて、今季のブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップは残り1戦を残すのみとなった。GT SPORT・モチュール・チームRJNが挑む次戦、シリーズ第10戦バルセロナは9月28~30日、スペインのカタルーニャ・サーキットで行われる。

23号車GT-Rをドライブするルーカス・オルドネス(左)とマット・パリー(右)
2015年型の22号車GT-R
GT SPORT・モチュール・チームRJNの23号車GT-R

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