プルタミナ・プレマ・セオドール・レーシング FIA F2第8戦ハンガリー レースレポート

ニック・デ・フリース、フィーチャーレース初優勝!

2018年7月30日(月)
ハンガリー/ハンガロリンク

予選(7月27日/金曜日)

 ハンガリーのブダペスト郊外に位置するテクニカルなサーキット、ハンガロリング。FIA-F2 Rd.8はF1のサポートのレースであるこのシリーズですがドイツGPを1ラウンドスキップをし、開催されました。

 良い感触のFPの後、続けてプルタミナ・プレマ・セオドール・レーシングは予選に挑み、ここでオランダ出身のドライバー #4 ニック・デ・フリースは最高のパフォーマンスを発揮します。
 
 期待のできる走りを見せた練習走行後の予選。ニックはさっそくファーストアタックで上位陣の一角にふさわしいタイムを出します。期待通りレース1は3番グリッドを獲得。優勝を狙えるポジションからスタートとなります。

 インドネシア出身の#3 ショーン・ゲラエルは、苦戦を強いられ、当初の見込みよりも後ろの18番グリッドで予選終了。悪天候が予想される土曜日、さらに上のポジションを目指し、レースに挑みます。

レース1(7月28日/土曜日)

 ウエットコンディションのなか、デ・フリースがこの難しいサーキットで今シーズンの2勝目を上げました。プルタミナ・プレマ・セオドール・レーシング、そして彼にとってもフィーチャーレースでの勝利は今期初めてとなります。
 
 路面の回復を予想し早期にピットインしたデ・フリースは、レース中盤以降をドライタイヤで走行します。この判断が功を奏し当初10秒以上のギャップのあった#19 ランド・ノリス(カーリン)を猛追。
 
 一瞬のスキをつく見事なオーバーテイクでトップに浮上。その後クリアな状態でラップを重ね、2番手に16秒の差をつけて優勝しました。チャンピオンシップに向けて貴重なポイントを勝ち取ったデ・フリース。この勢いでレース2に挑みます。

 厳しい予選を過ごしたゲラエルも早期のピットインを選択。難しいレースでしたが、良いレースペースを保ちながらポジションアップし、13位でフィニッシュとなりました。

ショーン・ゲラエル(プルタミナ・プレマ・セオドール・レーシング)

レース2(7月29日/日曜日)

 ハンガロリンクで行われる最終レースはピットインの義務のないスプリントレース。デ・フリースは7番手を獲得し重みのあるポイントを持ち帰りました。
レース1で特筆すべき速さで勝利を飾ったデ・フリースは、レース2はリバースグリッドにより8番手からのスタート。

 序盤タイヤを温存しながらのレースペースでしたが、高温な路面温度によりタイヤには徐々に負荷がかかっていきます。レースペースとポジションを守る難しい状況下でトップ5を争う混戦。必死に奮闘するも、ポジションダウンし7番手でフィニッシュとなります。

 ゲラエルも同様にデグラデーションに苦しめられます。18番手グリッドと後方からのスタートなったレース2。このポジションからポイントを狙うには凄まじい集中力が必要となります。
 
 一時は9番手に食い込む場面もありましたが、そのポジションを争う乱戦の中で、最終的にポジションをふたつ落とし11位でレースを終えることになります。

 この後8月に開催されるスパ・フランコルシャンでの戦いまで、チームは短い夏休みを過ごし、次のレースに備えます。

■ドライバーコメント

#3 ショーン・ゲラエルのコメント

「予選での自分のレースペースには全く満足していません。明らかに予想していたよりも下のポジションです。レース当日の土曜日は気温が高く雨が降る可能性もある。とても面白いレースになると思いますし、もちろんそうなればチャンスはあると考えていました。予選にはがっかりしましたが、レースはしっかりチャンスを狙いたいと頭を切り替え当日に挑みました」

「レース1は予選に比べるとそれなりに良かったかもしれません。スタートも良かったし、ウエットでのレースペースも悪くありませんでした。そして路面がドライになることを予想し、早めのピットインを決めました」

「濡れている場所も乾いている場所もありましたが、自分自身のレースペースはとてもよかったです。ただし後ろからのスタートはやはり厳しいですね。いくらポジションアップしても先が見えませんでした」

「レース2、いいスタートを切って9位までポジションアップができました。しかし、タイヤを温存しながら戦う必要がありましたが、#1 アーテム・マルケロフ(ロシアンタイム)に1コーナーで仕掛けられたその瞬間、他のマシンにオーバーテイクされ順位を落としてしまいました」

「今週は悔しいこと続きです。本当はポイントも取れただろうし、予選のミスがなければもっといいポジションにいたはずです。まだレースは残っています。決して諦めません」

ニック・デ・フリース(プルタミナ・プレマ・セオドール・レーシング)

#4 ニック・デ・フリースのコメント

「ポール・リカールのときのように、勝負できるチームになって戻ってきたね! 練習走行も予選もこのくらい勝負できるポテンシャルを持っているよ。予選の前半のアタックでは、トップタイムをリードしてたんだけれど、セカンドアタックで少しミスをしてしまったんだ」

「セクター3までは完璧で、だけどセクター3から上手く走れなかった。ポールは取れなかったけど、なんとか3番グリッドを取れたよ。少し残念だけど、前回のレースからすると本当にわくわくしていたし、レース1はやってやろうという気持ちでいっぱいでした!」

「レース1は2勝目をあげることができました! 信じられない! ポディウムに戻ってこれて本当にうれしいよ。こういうレースをするたびに、本当にチームを誇りに感じるんだ」

「ウエットでのスタートは本当に厳しかったよ。もがきながら、なんとかポジションを守った。ドライコンディションに向けた戦略に焦点を当てはじめて、これ以上後ろに行くわけには行かないなって。路面が乾き始めると、毎週毎週どんどんタイムが上がっていくのが本当に楽しかった。面白いほどファステストを連発していったからね。本当にいいレースでした!

「レース2もしっかり良いスタートとレースペースだった。しばらく5番手で様子を見ていたんだけど、途中バーチャルセーフティカーが入った時に、タイヤマネジメントに徹しようと考えた。でも上手く行かなくて、リアタイヤに少し負荷をかけてしまった」

「その後は、前を見るというより今のポジションをキープする方向に作戦を切り替えた。でも最後までふんばりが効かず、抜かれてしまい結局7番手でゴール。本当は4位、あるいは5位を狙えたんだけど、上手く行かなったね。でも全体的に見て、良い週末だったと思う」

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