相模川本流にコクチバス 初めて確認、刺し網で駆除も

 県水産技術センター内水面試験場(相模原市緑区大島)は2日、特定外来生物であるコクチバス6匹を相模川本流で6月に捕獲したと発表した。これまで支流の中津川や荻野川、中津川上流の宮ケ瀬湖では生息が確認されていたが、相模川本流で確認されたのは初めて。

 同試験場が本年度取り組んでいる「河川での外来生物の調査」の初日だった6月25日に、寒川町のJR東海道新幹線鉄橋付近の本流で全長3・4~16・1センチの6匹を捕獲した。今年春に生まれたとみられる幼魚4匹が含まれていることから、同試験場では「周辺で既に繁殖している可能性が高い」としている。

 コクチバスは同じブラックバスの仲間であるオオクチバスよりも口が小さいが、オオクチバスと同様に肉食性で小魚、エビ、昆虫などを捕食する。オオクチバスよりも低水温を好み、流れの速い河川でも生息できるため、比較的川の上流にすむヤマメやアユなどがコクチバスに食害されることが懸念されるという。

 同試験場ではこれまで、宮ケ瀬湖でコクチバスの調査・駆除を行っており、水中に仕掛けた刺し網による捕獲や、卵を産み付ける産卵床を駆除することが有効と指摘。これら駆除技術を漁業協同組合に指導したり、コクチバスの生息状況や食害の実態把握、対策を推進する協議会の設置などを県として進めていくという。

捕獲されたコクチバスの幼魚

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