長崎県ポンプ操法大会 市消防団から学生で初出場

 長崎県大村市で5日に開かれる「第34回県消防ポンプ操法大会」に佐世保市消防団から初めて大学生の団員が出場する。県立大地域創造学部公共政策学科2年の竹山和摩さん(19)と、同1年の梶尾博次さん(18)。「支えてくれる団員のために優勝したい」と意気込む。
 2人は五島市の出身。保育園のころからの付き合いだ。ボランティア活動をしたいと考えていた竹山さんは、先輩に声を掛けられ2017年4月に入団。梶尾さんは竹山さんらに誘われ、今年4月に入った。
 操法大会は市内の消防団が持ち回りで出場。2人が所属する第27分団(大潟町)の5人は小型ポンプ操法にエントリーしている。競技は約60メートル先の“火元”に向け、3本のホースを連結し放水。基本動作の確実性やスピードを競う。
 竹山さんは、水を吸い上げる「吸管」とポンプの接続、操作をする「3番員」、梶尾さんは吸管が水槽から飛び出さないように抑える「補助員」を担う。
 中西靖夫分団長(62)には、学生の出場を決めた狙いがある。会社勤めの団員が増え、日中に火災が起きても、すぐに出動できないという。こうした現状で学生は現場に駆け付けることができる貴重な“戦力”。中西分団長は「先々のことを考え、訓練してもらうため、メンバーに入れた。若い力に期待している」と語る。
 ほかの団員もサポートに懸命だ。練習には、近くの分団を含む20人以上が集まり、機材の準備や指導に汗を流す。竹山さんは「支えてくれた先輩の気持ちをくんで、一生懸命頑張りたい」。梶尾さんは「入ったばかりの自分を快く受け入れてくれたチームメートに恩返しをしたい」と誓った。

団員らの支えを受けて練習に励む梶尾さん(左から2人目)と竹山さん(同3人目)=佐世保市総合グラウンド駐車場

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