海の家の床落下で緊急点検 藤沢の45棟、一部に腐食

 神奈川県藤沢市の片瀬西浜・鵠沼海水浴場で海の家の床が抜けて10人が軽傷を負った事故で、県と市は2日、事故のあった海の家を含む同海水浴場などの約45棟を緊急点検した。事故との因果関係は不明としながらも、当該の海の家で木造の床を支える鉄骨の一部に腐食した箇所があったほか、他の海の家でもさびなどが見つかった。

 点検対象は、片瀬西浜・鵠沼と隣接する片瀬東浜の両海水浴場にある海の家。県と市、市消防局の職員が構造や設計に問題がないか、消防設備が設置されているかなどを調べた。

 市は腐食やさびなどが見つかった海の家に対し、改善を要請。後日改めて改善点をまとめた報告書を海の家でつくる協同組合に提出する。海の家の設計などに関する法的な定めはなく、指導ではなくあくまでも要請にとどまるという。

 藤沢署や市消防局によると、事故があったのは7月29日正午ごろ。平屋の建物の床(約20平方メートル)が抜け、中にいた20~40代の男性10人が約2メートル下の砂浜に落下した。10人はいずれもすり傷や打撲などの軽傷を負い、同署が事故原因などを調べている。

 市によると、事故があった海の家は現在、営業を停止している。

藤沢市役所

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