屋根はラスク 壁は九十九島せんぺい 10月スイーツフェス 佐世保 「お菓子の家」試作中

 佐世保の新たな一大イベントに-。長崎県北地域の製菓、製パン業を営む事業者が「SASEBOスイーツフェスティバル2018」(実行委主催)を企画。10月13、14日の両日、西部ガスショールームヒナタ佐世保(万津町)で初めて開く。地元のスイーツやパンで作った「お菓子の家」の公開、知る人ぞ知る町の逸品紹介、体験教室など多彩なメニューを用意している。
 昨年11月、佐世保市をメイン会場に「第71回全国お茶まつり長崎大会」が開かれた。茶を使ったスイーツ作りやコンテストに参加した店主から「このつながりを1年で終わらせるのはもったいない」といった声が上がった。その場で個人商店から企業まで一丸となり、市民に喜んでもらえる催しを開くことを決めた。
 6月下旬には職人が市内の作業場に集まり、目玉の一つ「お菓子の家」の試作に取り組んだ。作業場にはパンや焼き菓子の甘い香りが立ちこめる。屋根はラスク、側面は九十九島せんぺい、窓はステンドグラス風のあめ-。職人たちは取り付けながら必要な量や強度を検証していく。「全然くっつかない」「あめが溶けてドロドロ」。夢の世界を、手に届く距離で子どもたちに楽しんでもらおうと奮闘していた。
 早岐2丁目でパンやお菓子の教室「sweets&schoolえがお」を営む長野早苗さん(50)は、「普段作れないものが作れて、とにかく楽しい。どんどんアイデアが浮かんでくる」と顔をほころばせた。実行委会長の白十字パーラー社長、近藤英三さん(41)は「製菓に携わる者でも知らない店があった。回を重ねるごとに盛り上げ、一大イベントにしたい」と意気込みを語った。

フェスティバルで目玉となる「お菓子の家」の試作に取り組む職人たち=佐世保市内

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