閉塞(へいそく)感漂う新型コロナウイルスの感染拡大。沈みがちな気持ちを癒やし、ほっこりと心を和ませる手作りの伝言板が、JR東神奈川駅(横浜市神奈川区)にお目見えした。
今の思い、会いたい人、コロナ禍終息後にしたいこと-。チョークで記された言葉を通して利用客と駅員が希望を共有し、前を向く元気を交換している。
きっかけは4月下旬、外出自粛が長期化し、旅行や観光地のPRポスターを取り外す中、若手駅員から「元気づけられることができないか」と声が上がった。駅員の尾畑亮輔さん(23)は「利用する人にも手伝ってもらいながら、笑顔を届けたかった」と振り返る。
ベテランが伝言板をアドバイスすると、存在自体を知らない若手もその魅力に納得。黒板シートを貼り合わせて昔ながらの姿を再現し、駅員52人の願いを込めたメッセージも添えた。
「今こそ踏ん張りどころ!」「学校始まってほしい」「じいばあと手をつなげる日きっと来る」。4月30日の設置以降、書き込みが続く。
密集にならないよう駅員が改札から見守る。駅員の守屋倫太郎さん(23)は「共感できる言葉が多く、感謝も頂く。私たち駅員が一番元気をもらっているかもしれません」。コロナ禍の状況を見ながら、最長で夏ごろまで継続するという。