明暗くっきりのパ後半戦…西武は首位快走、鷹は投壊止まらず、楽天急浮上

工藤監督、井口監督、福良監督、平石監督(左から)【写真:荒川祐史】

西武と3位以下の差は10ゲーム超、楽天と5位オリックスは2.5差に

 熱戦が続く2018年のプロ野球。8月に入り、ペナントレースはいよいよ終盤戦に差し掛かってくる。セ・リーグは3連覇を目指す広島が首位をひた走り、2位以下との差をじわりじわりと拡大中。パ・リーグは開幕ダッシュで首位に立った西武が浮き沈みこそありながらも、ここまで首位をキープしている。

 オールスターブレイクが明け、後半戦が再開したのが7月16日。そこから3週間が経過し、各球団が6カードずつを消化した。この3週間で大きくチーム状態が好転したチーム、それとは逆に後半戦に入って苦しい戦いを強いられているのはどのチームか。セ・パ両リーグ各球団の後半戦の成績を見てみたい。

 まずはパ・リーグだ。

【前半戦終了時点】
1西武 46勝31敗1分
2日本ハム 44勝34敗1分 2.5
3ソフトバンク 39勝37敗0分 4.0
3オリックス 39勝37敗4分 0
5ロッテ 40勝38敗2分 0
6楽天 29勝49敗1分 11.0

【8月5日終了時点】
→1西武 56勝37敗1分(10勝6敗0分)
→2日本ハム 53勝41敗1分 3.5(9勝7敗0分)
↑3ロッテ 45勝46敗3分 6.5(5勝8敗1分)
↓4ソフトバンク 45勝47敗1分 0.5(6勝10敗1分)
↓5オリックス 44勝50敗4分 2.0(5勝13敗0分)
→6楽天 42勝53敗1分 2.5(13勝4敗0分)

 後半戦に入って好調なのは、最下位の楽天だ。ここまで17試合を13勝4敗として貯金9を作り、前半戦終了時点で11ゲームあった5位との差をわずか2.5ゲームまで縮めている。絶望的と思われた最下位脱出すら見え始めている。

 首位・西武と2位・日本ハムはコンスタントに白星を積み重ねており、それぞれ後半戦で貯金を増やしている。じわじわと3位以下との差は広がり、前半戦終了時点で6.5ゲームだった3位との差は10ゲームまで広がった。

 苦しいのが3位ロッテ、4位ソフトバンク、5位オリックスの3球団。ともに後半戦は黒星が先行しており、前半戦は貯金で折り返したはずが、気づけば借金生活に転落。ソフトバンクは3カード連続の負け越しで今季ワーストタイの借金2に。オリックスは8連敗ののち、1勝を挟んで再び4連敗と苦戦し、貯金2から借金6と状況は一変している。

チーム打率、チーム防御率は、どう変わった?

○西武
前半戦:チーム打率.276 チーム防御率4.30
後半戦:チーム打率.272 チーム防御率5.25

○日本ハム
前半戦:チーム打率.249 チーム防御率3.48
後半戦:チーム打率.260 チーム防御率4.36

○ロッテ
前半戦:チーム打率.257 チーム防御率3.64
後半戦:チーム打率.251 チーム防御率5.00

○ソフトバンク
前半戦:チーム打率.249 チーム防御率4.04
後半戦:チーム打率.293 チーム防御率5.46

○オリックス
前半戦:チーム打率.240 チーム防御率3.55
後半戦:チーム打率.237 チーム防御率4.18

○楽天
前半戦:チーム打率.239 チーム防御率3.92
後半戦:チーム打率.261 チーム防御率2.79

 楽天は前半戦と比べ、打率、防御率ともに向上。好調だったアマダーが故障で離脱することになったのは痛いが、後半戦はここまで投打がしっかりと噛み合っていると言えるだろう。西武は自慢の打線は変わらず好調。チーム防御率は前半戦よりも悪化しているが、何より大きいのは、ここにきて一時期、崩壊状態にあった救援陣が復調してきている点だろう。中継ぎにルーキーの齊藤大将が、新ストッパーには新加入のデュアンテ・ヒースが入り、安定してきた。

 苦闘ぶりが明らかなのが、ソフトバンクだ。後半戦に入ってチーム打率はリーグトップの.293をマークする一方で、防御率はリーグワーストの5.46と崩壊状態にある。近く復帰する見込みの東浜、スアレスがどれだけチーム状況を改善できるか。打線は.293と好調のように見えるものの、実際にはそれほどの強力さは感じない。内川やデスパイネ、松田の中軸打者が、ここ一番で凡退するシーンが目立ち、チャンスを作りながらも、なかなか得点に繋がらない現状が続いている。

 オリックスはチーム打率、チーム防御率とも低下。特にロメロ、マレーロ、T-岡田ら主軸打者を欠き、状況はなかなかに苦しい。ロッテも前半戦は3点台中盤だった防御率が5点台に悪化。特にリリーフ陣の救援失敗が頻発しており、立て直しが急務となっている。

 西武ががっちりと首位を固め始めているパ・リーグ。残り2か月ほどのペナントレースの行方は、そしてクライマックスシリーズ進出のかかるAクラス争いの行方は、どうなっていくだろう。(Full-Count編集部)

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