海老名に住商が物流施設 圏央道IC近く、20年2月完成

 海老名市の圏央道・海老名インターチェンジ(IC)そばで進む土地区画整理事業の事業区域に、大手総合商社「住友商事」(東京都)が進出し、12月にも物流施設を着工する。規模は地上4階建て、延べ床面積で約7万6500平方メートルに上る大型となる計画で、完成が2020年2月の予定。雇用を含めた地域経済の活性化や競争力向上に関係者の期待もかかる。

 施設は、同社が首都圏や関西で「SOSiLA(ソシラ)」のブランド名で展開する都市型物流施設となる計画。海老名ICに近接し、東名高速道路の厚木ICなどにも程近く、物流拠点としてのアクセス性の高さに加え、従業員募集の観点からもJR・小田急線厚木駅から徒歩で通勤できる地の利の良さなどに「優位性がある」(同社)と判断し、進出を決めたという。

 複数企業の利用を前提に建設するマルチテナント型での開発を進める方針。同社によると、インターネット通販会社や、スーパーなどの小売業者などからの引き合いがあるといい、大消費地でもある県内や首都圏西側への配送をカバーする拠点となる見通し。

 物流機能の高度化や周辺環境への配慮、働きやすさなども重視して開発を進めていく考えで、同社担当者は「(施設規模や機能面でも)フラッグシップの施設になる」と力を込める。

 同社が進出する場所は、地権者らによる組合が施行主体となって新たな工業・流通拠点の整備を進める中新田5丁目の「海老名運動公園周辺地区土地区画整理事業区域」の一角。進出企業が正式決定したのは同社が第1号となった。

 区域全体(約11万7600平方メートル)のうち、道路などを除いた工業用地は計約8万4900平方メートル。今回の施設は敷地面積3万3800平方メートルを予定することから、同社が工業用地の4割を占める公算となる。

 同社の進出に関係者の期待も高まる。地権者らによる組合の事務局は「進出に際し、災害時の対応など含め地域貢献の提案を多くいただいた。今回の動きが追い風となり、進出先を検討中の他の企業で追随の動きが出ることにも期待が持てる」と歓迎した。地元の海老名市の担当者も「大手の進出が決まり、地域経済の活性化や税収、雇用の面などからも喜ばしい」と話している。

住友商事が海老名市中新田に開発する物流施設「SOSiLA(ソシラ)海老名」の完成イメージ(同社提供)

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