早期に方針決定を 県議会特別委で意見続出

 長崎県議会の九州新幹線西九州ルート整備特別委員会は6日開き、与党検討委が新鳥栖-武雄温泉間の整備方針の結論を先送りしたことについて、国に対して早期に方針を決めるように求める声が相次いだ。
 与党検討委は先月末の会合で、導入予定だったフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)を正式に見送り。全線フル規格かミニ新幹線に絞ったが、佐賀県が費用負担増に難色を示していることから、期限を設けず結論を先送りした。同ルートは2022年度に新幹線と在来線特急を乗り継ぐ「リレー方式」で暫定開業する予定。
 特別委で小林克敏委員(自民・県民会議)は、結論を先送りしたため、全線フルを想定した必要予算を計上する時期が見通せなくなったことを問題視。「FGTを実用化できなかった国が相当な努力をして方針を決定する必要がある」とし、県の対応をただした。柿本敏晶企画振興部長は「強力に国に働きかけ、20年度の概算要求に必要予算が計上されるよう全力で取り組みたい」と述べた。
 全線フルで整備するには佐賀県の理解を得る必要がある。深堀浩委員(改革21)は「国にお願いするだけでは前に進まない」と指摘し、佐賀県とも協議するよう求めた。
 特別委は要望活動のため、福岡県や鳥栖、神埼両市に8日に出向くことを決めた。八江利春委員長は「フル規格を望む本県の立場を理解してもらいたい」とし、沿線自治体の理解を得て全線フルを推進したい考えを示した。

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