平戸市は5日、世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の市内にある構成資産「平戸の聖地と集落」を巡るツアーを開き、市内外の約40人が、資産の持つ価値や歴史の奥深さを再認識した。
参加者はチャーター船で生月島の沖約3キロに浮かぶ無人島、中江ノ島を船上から見学。市職員からは、キリスト教が禁じられた江戸時代、多くの信徒が処刑された殉教地で、地元のかくれキリシタンが今も聖地として大切に守っているとの説明を受けた。
参加者は構成資産で、市内最高峰の安満岳(536メートル)の麓に位置する春日集落にある案内所「かたりな」も訪問。集落のかくれキリシタンが病人をおはらいする際に使っていたご神体「納戸神」や、住民が1年の吉兆を占うために使っていた「お札」などレプリカの展示物について学んだ。集落を散策し、棚田の眺望も楽しんだ。
同市宮の町の洋服店経営、松本美千子さん(68)は「自然の原風景が残る美しい場所が、地元にあることを誇りに思う」と話した。
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