第一生命、「シェア園庭」で保育の質向上目指す

世田谷区内で利用が開始された「シェア園庭」(第一生命保険提供)

第一生命保険と東京都世田谷区はこのほど、地域の保育サービスを高めようと「第一生命グラウンド使用に関する協定」を締結した。都市部の保育所では子どもの遊ぶ園庭の広さが不足するなか、社有グラウンドの空き時間を同区内の私立保育所に安価で利用提供する。この「シェア園庭」の取り組みは8月から始まった。同社はESG投資の重点テーマ「地域活性化・地方創生」の一環として、保育を通じた社会課題解決に力を入れている。(オルタナ編集部=堀理雄)

シェアされる園庭は世田谷区にある「第一生命相娯園グラウンド」。事前に同社が実施したアンケートでは、同区内の45の私立認可保育園のうち約8割が参加希望と回答しており、事前の試験実施でも「子どもがのびのび遊べる」と好評だったという。

第一生命保険では2011年度から、保有する不動産に保育所を誘致する取り組みを進めている。関東を中心に今年4月までに21の保育所を誘致し、受け入れ可能児童定員数は合計1224人にのぼる。こうした保育の「量」の拡大を進めてきたのに対し、今回のシェア園庭はその「質」を高める取り組みだ。

グラウンドの空き時間・空きスペースについて何か活用できないか、同社から世田谷区に打診したところ、区からは子どもの遊び場が不足し保育の質低下が課題になっていると回答があり、シェア園庭の構想に至ったという。

同社不動産部ファシリティマネジメントグループの辰巳仁アシスタントマネジャーは「シェア園庭の取り組みを通じて保育の質の向上にも貢献し、さらなる『豊かな次世代社会の創造』の実現を目指す」と展望を示した。

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