伝統文化ポーラ賞 「中尾獅子浮立と唐子踊」が地域賞

 公益財団法人・ポーラ伝統文化振興財団(東京)は、無形の伝統文化の分野で貢献した個人団体に贈る第38回「伝統文化ポーラ賞」の受賞者を発表。本県からは「地域賞」に、長崎市田中町の中尾地区で250年以上の伝統を受け継ぐ「中尾獅子浮立(なかおししふりゅう)と唐子踊(からこおどり)保存会」が選ばれた。県内からの同賞受賞は2006年の若宮稲荷神社竹ン芸保存会以来で、3件目。
 伝統文化ポーラ賞は、同財団の顕彰事業の一環で1981年から毎年実施。本年は全国から伝統工芸技術や民俗芸能、行事など97件の推薦があり、各分野の専門家が審査。優秀、奨励、地域の各賞に計8件を選んだ。
 「中尾獅子浮立と唐子踊」は市無形民俗文化財で、ダイナミックな獅子舞と子どもの愛らしい踊りが特徴。保存会の会員は住民ら約50人。毎年9月に中尾地区で開かれる「中尾くんち」などで披露している。保存会の井手重義会長(68)は「思いがけない受賞で驚いた。継承していくのは大変だが、これを励みに頑張りたい」と喜びを語った。
 贈呈式は10月に都内で開かれる。

2016年の中尾くんちで披露された中尾獅子浮立=長崎市、大山神社

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