調整池の水質 改善など要望 農水省に諫早市長

 宮本明雄諫早市長は8日、農林水産省を訪れ、国営諫早湾干拓事業の開門確定判決を事実上無効にした福岡高裁判決などを受け、開門しない形での有明海再生や調整池周辺環境の改善などを要望した。
 市議会などと例年この時期に行っている政策要望の一環。本年度は、特別要望に位置付けた開門問題を含め計12項目。7日は国土交通省で九州新幹線長崎ルートを全線フル規格で整備することなどを求めた。
 農水省では、以前諫早市に出向した経験がある末松広行事務次官らに要望。要望書では国が開門しない方針を明確にしていることに期待を示しながら、調整池の水質保全目標の達成に向けてしゅんせつなどの抜本的な対策の実施を求めた。
 宮本市長は、7月末の高裁判決を受け「裁判の“終着駅”が近づいてきているのではないか」としながら「(関連訴訟を含めた)最高裁での次の判断が重要になる」と話した。

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