創成館 早すぎる敗戦 堅守ほころび リズムつくれず

 第100回全国高校野球選手権大会第5日は9日、甲子園球場で1回戦4試合が行われ、長崎県代表で今春の選抜大会8強の創成館は、創志学園(岡山)に0-7で敗れ、3年ぶりの初戦突破はならなかった。創志学園のほか、横浜(南神奈川)下関国際(山口)興南(沖縄)が2回戦に進出した。
 創成館は0-0の四回、2死二塁から先発川原、2番手戸田が計5連打を浴びて4点を献上。七回にも3点を失い、突き放された。打線も相手先発の西に抑えられ、4安打に終わった。
 横浜は内海のランニング本塁打など3本塁打を放ち、22年ぶり出場の愛知産大三河(東愛知)に7-0で快勝。下関国際は延長十回、4-2で今春の選抜大会ベスト8の花巻東(岩手)に競り勝った。興南は土浦日大(茨城)を6-2で下した。

◎自慢の投手陣が7失点
 堅守が、ほころんだ。長崎大会5試合で3失点、チーム防御率0・63を誇った創成館がまさかの大量7失点。「らしさ」を発揮できず、初戦で姿を消した。「ロースコアじゃないと勝ち目がないと思っていた。完敗」。稙田監督は悔しさを押し殺すように想定外の試合展開を振り返った。
 序盤から守備の時間が長く、八回以外は毎回走者を背負った。捕手平松が「変化球を待ってる感じだったけど、真っすぐにも対応してきた」と振り返ったように、先発の川原が3回⅔で7安打を許して降板。「相手エースは2年生。絶対投げ勝ってやろうと思ったんですけど…」。左腕は唇をかみしめた。
 川原をはじめ、アウトを取った後、無走者から四球を与えるなど投手陣が安定感を欠き、平松は「出したいサインも出しづらかった」と無念さをにじませた。七回は中継プレーも乱れて3失点。「守備からリズムをつくる」の勝利プランは、崩れた。
 今季は優勝候補筆頭の大阪桐蔭に公式戦で唯一土をつけて明治神宮大会で準V、春の選抜も8強と実績を残し、文句なしの長崎代表として甲子園に乗り込んできた。早すぎる敗戦にはなったが、選手たちは後輩に、そして県内他校に、全国レベルと“夏”の怖さを改めて教えたといえる。
 稙田監督は「現チームは本当にいろんな経験をさせてくれた。全国で勝つためにはどうすればいいか、下も感じたはず」。主将の峯は「最後の最後でこういう結果になったことは悔しい。ただ、この試合を見た後輩たちがきっとやってくれると思う」と真っ赤に染まった目で夢を託した。

試合終了後、無念の表情でグラウンドにあいさつする創成館の選手たち=甲子園

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