山手の今昔たどるパネル展 「居留地の生活に思いはせて」

 幕末から明治にかけての山手を、写真や絵はがきのパネルで紹介する「横浜山手今昔 古写真・絵葉書に見る幕末・明治の世界」展が、山手234番館(横浜市中区)で開かれている。「近代都市・交通文化研究室」室長で、山手町在住の新関光二さん(62)が収集している横浜関連の資料で、開港から居留地が誕生するまでの歴史をたどる。NPO法人横浜山手アーカイブスの主催で、14日まで。

 居留地が成立するまでの様子に加え、かつて山手にあったホテルやフランス海軍病院、学校といった施設の写真などをパネル化し、新関さんが解説。居留地での生活に思いをはせられるよう、1888年から山手で暮らしていたマーテン家の人々が自宅の庭でくつろいだり、家族で集まったりしている写真パネルも作成した。また、横浜から海外に送られた手紙や、実業家のジェラールが製造したフランス瓦も展示している。

 「ただ資料を見てもらうのではなく、生活の一端を見てほしい」(新関さん)という思いから、谷戸坂、地蔵坂周辺の古写真と、現在の様子を比較した展示も設けた。地形から当時の面影を感じられるだけでなく、山手を歩くときの参考にもできる。新関さんは「当時の絵はがきなどを基に、散策のヒントになる構成にした。多くの人に来てもらい、歴史散歩をしてほしい」と呼び掛ける。

 無料。資料の解説と山手地区の地図などを掲載した冊子(500円)も販売している。問い合わせは、同館電話045(625)9393。

会場には新関さんのコレクションを基にした資料が並ぶ=山手234番館

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