東京五輪、自転車コースを発表 県内は相模原と山北通過

 2020年東京五輪の大会組織委員会は9日、自転車競技・ロードレースのコースを正式に発表した。富士山麓などを巡るルートで、県内は相模原市と山北町の計約30・2キロを通過。男子のレースは開会式翌日で、「富士に挑む難関コースで開幕を印象づける目玉になる」としている。

 神奈川の五輪開催地は野球・ソフトボール、サッカーの横浜市、セーリングの藤沢市を含め計4市町になった。黒岩祐治知事は「大会成功に向け、県内市町村と連携し全力で取り組んでいく」とコメントした。

 自転車ロードレースは男子244キロ、女子147キロ(パレード区間10キロ含む)のコースで着順を競う。男子は東京都調布市の武蔵野の森公園をスタートし、相模原市、山北町、山梨県道志村などを通過。山中湖や富士山麓などを周回して富士スピードウェイ(静岡県小山町)にゴールする。女子は周回部分などをカットする。上り坂の合計「獲得標高」は約4865メートル(男子)で「超難関コース」(組織委)という。

 相模原市にはJR橋本駅北側から入り、「道志みち」につながる国道412号などを通過。市街地から起伏が激しい山間部に切り替わるポイントで、「白熱するレースが期待できる」(市担当者)。山北町は山梨県境の三国峠から静岡県境の明神峠につながる約1・6キロを走り抜ける。

 コースの正式決定を受け、相模原市の加山俊夫市長は「市民がトップアスリートの競技を間近で観戦でき、市のスポーツや観光振興につながる貴重な機会になる」、山北町の湯川裕司町長は「大会開催地として参加できることを誇りに思う」などとコメントした。

自転車ロードレースの競技コースを説明する室伏広治組織委スポーツディレクター(右)と中野浩一選手強化委員長(中央)ら=9日午後、東京都港区

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