【甲子園】横浜高が初戦突破 主将の母親が勇姿に歓喜

 9日に甲子園球場で行われた高校野球の第100回全国選手権大会で、南神奈川代表・横浜高が初戦突破を果たした。主将の齊藤大輝選手が2点本塁打を放ってけん引。アルプス席の母・美貴さん(50)はその勇姿に声援を送った。 

 「入っちゃった!」。三回。齊藤主将の鋭い打球が、左翼ポール際へ飛び込んだ。美貴さんは長女の瞳美さん(20)とともに飛びはねて喜びを爆発させた。

 過去2度の甲子園も応援に駆け付けたが、1年生の時は初戦の最終回で二塁の守備に就いただけ、昨夏は主力だったが4打数無安打で初戦敗退。最後の夏で出た甲子園の初ヒットがホームランとなった。

 名門のキャプテンも、週1日のオフに横浜市内の自宅に帰ってくれば普通の高校生。「いつも飼い犬とじゃれ合っていて、どっちが犬だか分からない。キャプテンらしさはないですね」と美貴さんは笑う。

 でも、昨秋の県大会準々決勝で鎌倉学園高にコールド負けした時だけは様子が違った。「口数が少なくなり、主将のプレッシャーもあっただろうし、本当に大変だったと思う」と振り返る。

 「まだ夏がある」「ここからだよ」-。寮生活の息子に、母は励ましの言葉を掛け続けた。それを齊藤主将は「本当にしつこくて…」と笑いつつ「でもそうやって元気づけてくれてうれしかった」と感謝する。

 ことしの誕生日には、ハート型のネックレスをプレゼントしてくれた。「小学生の頃からネックレスをくれるんです。ことしで9個目。毎年1年間、もらったものを着けています」とうれしそうに話す美貴さん。この日も大切そうに身に着けて勝利を喜んだ。

アルプススタンドから温かいまなざしで横浜ナインに声援を送る齊藤主将の母・美貴さん(中央)=甲子園

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